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新学期を前に…「のと鉄道」全線再開への思い

2024.04.01

○櫻井
私がいるのは
のと鉄道の「穴水駅」です。
今回特別に許可を得て
中に入らせていただきます。




線路上には
地元のシンボル
「のと鉄道」の列車の姿があります。

まさにこの場所で発車を
待っていた時に地震があり、
被害の復旧を終え
4月6日に再び走り出すことになります。

○藤井
5日後ということは、
すべて準備は整っているんですか?

○櫻井
線路以外にも、たとえば
ホームは大きく割れていたんですが、
今はもうきれいに直っています。




そして、
「のと鉄道」の再開に向けて
力を尽くされました
社長の中田哲也さんにお話を伺います。


元日の地震の被害は
どのようなものでしたか?



                            (今年1月10日撮影)

○「のと鉄道」中田社長
大変大きな被害を受けました。
土砂崩れで線路が埋没したり、
線路自体の浮き沈みがあったり、
ホームの被害がありました。
およそ50か所以上で大きな被害が出ました。



              (今年1月10日撮影)


○櫻井
すぐ近くにある本社も
被害を受けていたと聞きます。
そうした中で
どうやって立て直してきたんですか?

○「のと鉄道」中田社長
本社が使えなかったのですが、
たまたま元日に列車を
ここにとめていたので
利用することになりました。



机を列車の中に入れて、
そこで災害の打ち合わせをしたり、
今後の対策について練る会議も
まさにこの場所でやっていました。

○櫻井
机を並べて打ち合わせを
重ねたのがこの場所なんですね。
大変な状況の中で当初、
4月中の復旧も難しかった
という状況だったんですが
4月6日の再開、
新年度、新学期になんとか
間に合わせるんだという思いでしょうか

○「のと鉄道」中田社長
おっしゃるとおりで、
なんとか新年度、新学期に間に合わせたいと
強い思いがあり、
JR西日本と協力して工夫して、
4月6日、新年度、新学期を
むかえることができるようになりました。

○藤井
「のと鉄道」といいますと、
和倉温泉駅や車窓からの景色など
観光路線としても大人気ですが、
能登にも観光の足が
戻ってくる期待はありますか?

○「のと鉄道」中田社長
大変な困難な状況であると思っています。
それでも列車を走らせることが
地域の希望になるならば
いずれ観光の足が戻ってくると信じています。




今回再開する区間に「能登鹿島駅」。
通称“能登さくら駅”という駅があります。

毎年、多くの観光客が訪れて
桜のトンネルをくぐり抜ける
列車を楽しんでいました。
そうした姿を今回の列車の開通によって
みなさんにお見せしたいです。

○櫻井
強い思いのあらわれだと思います。
そして、いまは臨時ダイヤで
本数を減らしているのですが、
今後、正常なダイヤに戻すのも
課題のひとつだということです。

地元の方にとって、
「のと鉄道」の再起というのは、
単に交通の足が戻った
ということではないんです。

列車が動くということは
日常の景色が戻るということで、
日常が戻るという意味でも
復興にとって大きな一歩だということです。

一方で、取材した
日吉酒造のご夫妻が
おっしゃっていたのですが、
輪島の酒蔵は
電気や水道も通っていなくて、
まだまだ大変なのはこれからだと、
切実に訴えていたのも印象的でした。

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