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#260 高まる日中関係の緊張…今後の影響は?

2025.11.17

高まる日本と中国の緊張。
高市首相の
『存立危機事態』をめぐる発言に
中国側は反発を強めています。

まず中国政府は
「日本への渡航の自粛」を呼びかけ。
さらに中国教育省は
「日本への留学を慎重に検討」
するよう通知。
「日本の治安は不安定で

 中国国民を対象とした
 犯罪事件が多発している」
と主張しています。

一方17日夜、在中国日本大使館は、
中国に住む日本人に対して、
安全確保に努めるよう、
呼びかけました。

今後の日中関係は
どうなっていくのか?
専門家にお聞きしました。

○櫻井
「なぜここまでの対抗措置に
 乗り出すことに
 いたったのでしょうか?」
○東京大学大学院
 川島 真 教授
「これまでの首相は
 あまり言わないように
 あるいは、個別の事例は
 明言を避けていたところを
(高市首相は)明確に述べました。
 それが例外的であったことは1つの要因。
 ただそれだけではないんです。
 今回の件が台湾関係だということ。
 習近平政権は
 台湾を統一するだけでなくて、
 対台湾政策を大きく変更した政権。
 頼清徳総統を独立派と
 強く批判してきました。
 高市首相が誕生した時には、
 頼総統から祝電も来ています。
 頼総統と高市首相との関係を、
 中国側は注意をしてきました」

「中国は台湾に
 非常に敏感になっています。
 日中関係とみなさん見ているが
 習主席自身が台湾問題に
 ハードルを上げてきている。
 これが大きく反応している
 1つの背景です」
「今回のことは、日本国内で
 いろんな意見が出ています。
 中国からすると、
 日本の内部の世論を
 分断していくことに目標がある。
 日本の国論が
 割れるようなことがあると、
 さらに極端な意見を言って、
 引き裂いていくことを
 やるかもしれない」

川島教授も、
簡単に収束しないだろうという
今回の問題。
今後の影響については…。



○東京大学大学院
 川島 真 教授
「尖閣諸島か台湾周辺かわからないが
 軍事的な行動、経済制裁、
 今は渡航に関してやっているが
 エスカレーションしてくる
 可能性はあるかもしれない」

○櫻井
「心配されるのが中国にいる日本人や
 渡航者への影響です。
 この点についてはいかがですか?」
○東京大学大学院
 川島 真 教授
「2024年には蘇州や深圳で
 痛ましい事件が起きています。
 中国における
 対日感情が悪化すれば
 そうしたリスクは高まりますし
 12月13日には
 南京事件の記念日が
 中国であって
 多くのセレモニーが行われます。
 歴史の記念日とかに
 批判的な声が
 出てくるかもしれない」

○櫻井
「外務省の担当局長が
 北京に渡りました。
 この意図や影響はいかがでしょう?」
○東京大学大学院
 川島 真 教授
「この案件は外務省を離れて
 習主席マター(案件)となっています。
 日本の局長と
 中国外務省の局長が
 会ったからといって、
 問題の解決ができるわけではない。
 ただ日本は関係の悪化を
 防ごうとしている姿を
 見せることに意味があります」

一方、11月22日から開催される
G20サミットで
李強首相との会談が行われるかが
注目されていましたが、
17日中国外務省は、
「会談する予定はない」と
明らかにしました。

○東京大学大学院
 川島 真 教授
「首脳会談をやらなくても
 廊下の立ち話に始まって
 いろんなレベルの協議がある。
 然るべき段階で
 いろんなレベルの会議を
 やるのだと思う」

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