#244 攻撃の応酬続く…“最悪のシナリオ”とは?
○櫻井
戦闘が激しさを増すなか、
今後どうなるのか。
中東情勢に詳しい
慶応大学・田中浩一郎教授に伺いました。
○櫻井
「イスラエル・イラン
激しい攻撃の応酬が続いているが
どのようにご覧になっていますか?」

○中東情勢に詳しい
慶応大学・田中浩一郎教授
「(イスラエルが)今回、本当に
本気でかかってきてるな
ということで
目標は2つ掲げている

1つは
イランのウラン濃縮を
完全に無力化する
破壊するということ
もう1つは今のイランの
イスラム共和国体制を
瓦解させようという
レジームチェンジ(体制転換)
に持っていこう
という考えなんですね」
○櫻井
「どのようなことが
(衝突を)止める上での
ポイントとなる?」

○中東情勢に詳しい
慶応大学・田中浩一郎教授
「アメリカが手を貸さなければ
イスラエルはそれ以上できない
遂行しようがない
という状態に陥りますので
結局はカギを握るのはアメリカ
あるいはトランプ大統領の
考え方であるというところに
かかっています」

○櫻井
「アメリカが支援をせず
時間がかかっていけば
いつかは(衝突が)
止まるかもしれない?」
○中東情勢に詳しい
慶応大学・田中浩一郎教授
「アメリカが
補給を止めればなんです
そこが大きなハテナであって
トランプ大統領が
イスラエルに今、積極的に
加勢するつもりはないとしても
イスラエルの作戦を止めたり
あるいは妨害するつもりも
またなさそうなんですよね
なのでその考え方が
どこかで改まらないと
当面、少なくとも
イスラエルからイランに
対しての攻撃は続きます
一方でイランからイスラエルに
対しての反撃や報復は
どうしてもこれは
航空戦力での劣勢を強いられ
制空権も奪われているので
イランがイスラエルに対して
報復手段として持ってる
唯一の弾道ミサイルの
発射基地とか
こういったものを
どんどん潰されていきますから
今のレベルでの反撃というのは
今週いっぱいぐらいかなと
みています」
○藤井
キーポイントとなっているのは
“アメリカ”だという話がありますが
このまま続いていくと
一国同士の争いではなくて
他の国を巻きこんだ戦争にも
なりかねないのでは?

○櫻井
まさに、その点を伺いました。
田中教授によりますと、
現段階では
イスラエルとイランの
1対1の状態のため
周りの国を巻き込んだ
大きな戦争につながる
構図ではないそうですが、
今後、周辺のアラブ諸国の
国土にあるアメリカ軍基地を
イランが攻撃すると、
今度はアメリカが
イランへの攻撃に参加する
可能性があるなど、
雲行きは怪しくなってくる
ということです。
さらに、最悪のシナリオとして
イスラエルによる
“核兵器の使用にまで
発展する可能性も
ゼロではない“
と指摘しています。

○中東情勢に詳しい
慶応大学・田中浩一郎教授
「アメリカの加勢を
イスラエルが
得られないとなった時
それでもイランの
ウラン濃縮能力を
完全に壊滅させるんだと
いうところまでを
遂行しようとすれば
イスラエルは単独で攻撃を
続けていても最終的に
核を使わざるを
得なくなるわけですよね
核を使うというのは非常に
ハードルは高いでしょうが
それもあながち
否定できなくなってしまう」
○櫻井
あくまで“最悪のシナリオ”
ということですが、
間違っても核兵器が
使われることのないよう
国際社会が
連携を強める必要があります。
16日から始まる
G7サミットでも
議論が交わされる見通しです。