#217 パリパラリンピック…選手支える技術者たち
熱戦が続いている
パリパラリンピックですが、
その選手を支える
「プロの技」があります。

こちらの男性は、
日本人技術者の中島浩貴さん。
選手村や競技場に設けられた
「修理センター」で働いています。
義足や車いすなどに不具合があった時に、
すぐに直せるように
24時間サポートしているという
修理センター。
どのような活動なのか取材しました。

○櫻井
「修理にはどれくらいのペースで
どれくらいの選手が
足を運んでいるんですか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「9月1日が終わった時点で、
1900件以上の修理が
終了しています。
6割ぐらいが車いすで
残りの4割が義足だったり
その他のパーツになっていますね。
1日120件くらいのペースで
修理を行っています」
また競技用だけでなく
日常用の車いすや義足なども
修理しているといいます。
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「競技のベースにあるのが
快適でスムーズな日常なので
そこをサポートすることが
私たちにとって
重要なパートだと考えています」

○櫻井
「気になるのは費用ですが
選手それぞれに
費用負担はあるんですか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「サービスは全て無償になっています。
選手の方は修理の費用を気にせずに
こちらで対応を受けることができます」
○櫻井
「なぜ無償なんですか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「費用を発生させてしまうと
払える国と払えない国が
出てきてしまうという現実が
あるためなんですね。
それでは競技の公平性が
保ちにくくなってしまうため
無償で提供しています」

○藤井
競技の公平性を保つために
無償というのは、驚きですね。
○櫻井
選手の皆さんにとっては心強いですよね。
中島さんは、
技術を詰め込んで最高のものを
提供するのではなく、
選手自身が国へ帰った後にも
フォローを受けやすいような
レベルのものを
新しく作って提供するという、
そういった工夫もされている、
ということでした。
○藤井
最新のものばかりが
いいわけではないんですね。
○櫻井
その先のことも考えて、
フォローされている
ということなんですね。
また、1万数千点もの部品を
持ち込んでいますが、
それでも修理できない場合は、
部品をイチから作り直すことも
あるというんです。

○櫻井
「どういったところに
中島さん自身
やりがいを感じていますか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「選手の皆さんが4年間、
もしくはもっと長い間
準備されてきたものを
目の前でサポートできるという
ひとつの喜びがありますし
世界中から集まるスタッフと
いろんな難しい課題に
取り組んで解決していくという
喜びもあります」
○櫻井
「選手からかけてもらった言葉で
印象に残っている言葉は
ありますか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「選手にとっては本当に
人生をかけた試合、
もしくは多くの時間を
費やした方が多いので
本当に『ありがとう』という言葉を
よくいただきます」

○櫻井
「パラアスリートは
どういった存在ですか?」
○オットーボック・ジャパン
中島 浩貴さん
「憧れに近いものがあります。
障害があるスポーツ選手
というだけでなく
自分の限られた環境や機能のなかで
それをいかに最大限伸ばすか
スポーツに限らず、
いろんな人に当てはまる
ストーリーだと思います。
そういった難しいストーリーを
自分の目の前で
実現化してくれている存在です」
○櫻井
パラリンピックは9月2日で6日目。
まだまだ激闘が続きます。