#259 “ガバメントハンター”実態と課題
2025年度、
クマに襲われ死亡した人は
全国で13人と過去最悪となっています。
11月10日も富山県では
住宅の敷地内にクマが出没し、
緊急銃猟により駆除されました。
クマをめぐっては、
ハンターの減少や高齢化が課題となる中、
いま注目されているのが
狩猟資格を持ち、
クマなどの鳥獣対応にあたる
自治体の職員、
いわゆる“ガバメントハンター”です。
私は10日、
“ガバメントハンター”として
実際に活動する長野・小諸市職員
櫻井優祐さん(40)に
クマ対策の現状や課題を取材しました。

○櫻井
「すぐ後ろにある車の中に色々な物が
入っていると伺いました。
ご紹介いただけますか?」
○長野・小諸市職員
ガバメントハンター
櫻井優祐さん(40)
「基本的にはワナが中心
ナイフとか必要に応じて
現場に持って行く」

北海道や東北などの知事は国に
公務員ハンター、
いわゆる“ガバメントハンター”の
支援強化などを求める方針です。
小諸市は2011年、
全国で初めて
“ガバメントハンター”を導入。
櫻井さんも、その1人です。

○櫻井
「クマ対策は
ガバメントハンターとして
どう携わる?」
○長野・小諸市職員
ガバメントハンター
櫻井優祐さん(40)
「クマの出没・目撃の連絡が
市役所に入ると私たちが
現場に伺います。
足跡やフンなどの痕跡を調査し、
県と現地調査して
捕獲する案件か調整します。
捕獲に従事する地元のハンターと
捕獲を主導していく
行政の架け橋であったり
潤滑油的な存在」

普段は市役所の農林課で
助成金の事務などを行う櫻井さん。
○櫻井
「休みの日も動く?」
○長野・小諸市職員
ガバメントハンター
櫻井優祐さん(40)
「ワナなどに個体が捕獲されれば
土日でも処理に行く」

市はかつて、
クマなどによる被害が報告されると
猟友会に所属するハンターが現場を確認。
その後、捕獲の判断は行政が行い、
捕獲が必要な場合は
改めてハンターに依頼していました。
一方で、「ガバメントハンター」は
行政の役割も担っているため、
現場で捕獲の判断ができます。
つまり、作業を省略でき、
スムーズに捕獲対応ができるといいます。

見せてくれたのは、
シカやイノシシ用のワナ。
クマ被害があった果樹園の近くでは
対策として、
「おり」が設置されていました。

これは2024年、長野・小諸市内の
ゴミ置き場に現れたクマの映像。
櫻井さんたちが設置したワナは
サイズが小さかったため、
現場判断で、
すぐワナのサイズを変更すると、
捕獲に成功しました。

○櫻井
「ガバメントハンターとして
活動する中で課題は?」
○長野・小諸市職員
ガバメントハンター
櫻井優祐さん(40)
「やはり人材の確保が大きい
ガバメントハンターとして
マッチングできる人材がいるか。
様々な人材を活用できる
流れがあるといいと思う」

○櫻井
「いま感じている危機感は?」
○長野・小諸市職員
ガバメントハンター
櫻井優祐さん(40)
「いつどういった背景で
クマの出没が増えるか分からない。
常に準備やできる対策を
考えていく必要がある。
主役なのは地元のハンター。
ハンターがいなければ捕獲は進まない
環境を整えたりサポートで入ったり
ガバメントハンターとしての
自分の役割だと思う」