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#237 止まらないコメの価格高騰…コメ農家の思いは

2025.04.14

農林水産省が4月14日に発表した
コメの平均価格を見てみますと。
4月6日までの1週間で、
5キロあたり4214円。
14週連続で値上がりし、
史上最高値を更新しました。
去年の同じ時期と比べると
2倍以上と、
備蓄米の販売が始まっても
価格高騰は続いている状況です。

生産者側はどう見ているのか。
取材してきました。

訪ねたのは関東有数のコメの産地
千葉県の東庄町。
すでに田植えが始まっていました。

○櫻井
「あちらでは今まさに
 作業しているところです。
 多田さん
 よろしくお願いします」

多田正吾さん67歳。
いま作っているコメを
見せてもらいました。

○櫻井
「どういった品種なんですか?」
○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「関東でも早場米の産地で、
 千葉県で開発した『ふさこがね』。
 (8月の)盆前に刈れます」
○櫻井
「そんなに早く?
 8月中旬には?」
○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「10日過ぎたら刈れます」

 

通常より1か月以上早く
収穫ができるという早場米。

○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「消費者のためにも
 いつもより1週間早いです、
 田植え。
 消費者も早く安心させたい。
 そういう気持ちで植えています」

さらに今年は、ある変化が…。

○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「友達から、
『飼料米やらないで
 おれたちのために主食用米を
 作った方がいいんじゃないか』と。
 じゃあ、頑張ってみるかと」

多田さんはこれまで、
家畜用の「飼料用米」を8割
「主食用米」を2割の割合で
作っていましたが、今年は逆転。
主食用のコメを
8割に増やしたといいます。

その多田さんに
価格について聞くと。

○櫻井
「コメ価格高騰が続いているのは
 どう見ていますか?」
○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「良くないと思う」
○櫻井
「相場の目安はありますか?」
○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「消費者が5キロ3000円で
 買える相場。
 肥料も油も上がっている。
(生産までの)間の
 経費がかかっても、
 3000円が(適正)」

価格高騰が続けば、
消費者のコメ離れが起きかねない、
と心配しています。

ただ燃料代や電気代などの
値上がりで
生産コストが上がっていて、
販売価格が上がっても
赤字状態だといい、
多田さんの周囲では
コメ作りを継続していけるのか
不安を感じている人も
多いといいます。

いま政府に求めることは。

○コメ農家
 多田 正吾 さん(67)
「油の高騰、資材の高騰
 それに対して補助があれば
 コメ(の価格)も下げられる。
 あとは労働力ですかね。
 みんな年取って
 できないんですよね。
 都会から休みの日、
 土日とか応援に来てもらう、
 そういうのも国の政策や
 役場がやってみたら
 いいんじゃないか」

(藤井)
いろんな努力や工夫を
農家のみなさんも小売店も消費者も
行っているんですけど、
なかなか価格が下がらないですよね。
今後の見通しは
どうなっているんでしょうか。

(櫻井)
この価格高騰は、
今後どうなるのか。
専門家3人に聞いてみました。

みな一様に、
「備蓄米の流通で、価格は
一定程度落ちついてくる」
という見立てで、

日本総合研究所の
三輪チーフ・スペシャリストは
「6月末には3500円くらいに
 下がるのではないか。
 猛暑や梅雨の悪影響、
 害虫被害などがなければの
 条件付きだが、
 ここを下回らないと
 コメ離れが起きてしまう」

流通経済研究所の
折笠主席研究員は
「5月中旬に3000円台後半。
 劇的に変わることはないだろう。
 今年度中は安くなっても
 3500円で
 これ以上の高騰にはならない」

宇都宮大学の松平助教は
「5月末で3600~3800円。
 再び価格高騰にならないために
 生産者を支援して、
 供給量と備蓄量を増やさないと
 根本解決にならない」

と話しています。

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