#239 八潮陥没事故から3か月 捜索現場に新たな動き
埼玉県・八潮市の道路が陥没した事故から
2025年4月28日でちょうど3か月です。
運転手の捜索現場を取材すると、
新たな動きがありました。

陥没が起きた現場へと向かうと。
○櫻井
「奥に大きなクレーンが見えてきました。
もうここから先は入れず、
迂回を指示されました」
現場近くの会社の許可を得て、
屋上から見ると。
○櫻井
「上から見るとかなり大規模。
周りには一般的な住居も並んでいます。
住宅街の真ん中での
事故だということがわかります」

3か月前、埼玉県八潮市にある県道で
突然、発生した陥没事故。
交差点の中心に
10メートルほどの穴があき
トラックの運転手の男性が転落しました。
今も取り残されたままだとみられています。

翌日には第二の陥没も発生し、
穴は2つに。
その後、2つの穴がつながり…

陥没発生から3日後には、
直径およそ40メートルの
巨大な穴になっていました。
事故は、地中の下水道管が腐食し、
破損したことが原因とみられています。

きょうの現場を見た専門家は。
○地盤システム研究所
近久博志 氏
「クレーンの手前に
門型の鉄の枠がありますね。
あの下にちょうど運転席がある」

注目したのは、取材の当日に
新たに作られた骨組みのような構造物。
救助に向けて、運転席のほぼ真上からと、
斜めからの2方向から
穴を掘り進めてきましたが、
そのうち真上とみられる部分に
新たに作られていたのです。
○地盤システム研究所
近久博志 氏
「あれを使って穴を掘る、
もしくはあれを使って引き上げる。
いろんな形で考えていると思う」

ここから運転席部分を
引き上げる可能性もあるといいます。
さらに、
捜索再開のカギを握るものが完成しました。

運転席がある下水管。
そこを流れる下水が
捜索の妨げになっていました。
そこで作られたのが、
下水を迂回させるための
「仮設の排水管」です。
しかし、県によると、
今日までにこちらに流し始めたものの、
水位は十分には下がっていないといいます。
○地盤システム研究所
近久博志 氏
「(下水管を)ドライに乾かして
工事ができるような状態にしたいと。
あれは難しい。
傾きがないと水が流れない。
今は傾きが
うまく作れていないのではないかなと」

○櫻井
「梅雨の季節にさしかかると
雨も心配ですが、影響は?」
○地盤システム研究所
近久博志 氏
「これが1番心配です。
雨水やらがまた流れ込まないように、
梅雨までに完成しないと
大変なことになるので
急いだのでは」

○櫻井
現場付近では今も、
陥没した道路がある交差点の
全方向で通行止めとなっています。
通学路の変更を余儀なくされた
小学校もあるほか、
住民が間違って規制エリアに入らないように
24時間態勢で誘導員を
配置しているということです。
○藤井
元々はそれほど大きくない穴でしたが
どんどん穴が広がりました。
あの周辺で営業されていた
飲食店もありましたよね?
○櫻井
こちらの飲食店、
まさに交差点の場所にあって、
事故当時から救助活動のために
駐車場を提供したり、
店内を工事関係者の休憩所として
提供したりしてきました。
いまも営業再開のめどは立っておらず、
従業員は他の系列店に移ったり、
離職したりしているということです。
まずは男性の救助にむけて、
現場では懸命な作業が続けられています。