#278 皇室典範改正案…“旧宮家から養子案”に反発も
■“旧宮家から養子”も…骨子了承
22日、衆参両院の正・副議長は
木原官房長官から
皇族数の確保に向けた
皇室典範改正案の骨子について説明を受け、
これを正式に了承しました。

女性皇族が結婚後も皇室に残る案と、
旧皇族の男系男子を
養子に迎える案で、
養子とすることができるのは
旧11宮家の15歳以上の
男系男子で配偶者と
子どもがいない人に限るとしています。

社会部・皇室担当の森デスクに
詳しく聞いていきます。
そもそも旧11宮家とは
なんでしょうか?
○社会部・皇室担当
森浩一デスク
旧11宮家というのは戦後皇室から
「皇籍離脱」した人々のことで、
GHQの意向を受け
1947年一般国民となった
伏見宮家や久邇宮家などを指します。
彼らは80年間、一般国民として生活し、
税金を払い選挙権や職業選択の自由などを
持ってきました。
現在の皇室と共通の祖先を持つ家ですが、
一方で共通の祖先となる天皇に
男系、つまり父親だけでつなぐためには
約600年前の室町時代まで
さかのぼらないといけない
遠縁でもあります。

○櫻井
この養子案には
どのような利点や課題がありますか?
○社会部・皇室担当
森浩一デスク
利点としては
まず、皇族数を増やせる
ということがあります。
それに加えて
与党や保守的な党派が
「皇室の伝統」として重要視する
「男系男子」を皇室内に
確保できるということにあります。
ただ今回の議論は
「皇族数の確保」に向けた議論が中心で、
皇位継承権については、
政府が示した皇室典範改正案の骨子では、
養子に迎えた人本人は
「皇位継承権を有しないものとする」
という点にとどめています。
一方、女性天皇・女系天皇を
容認する立場の人たちからは、
皇室の中に養子として
男系男子が確保されれば、
将来、女性に皇位継承権を認めるという
流れにはなりにくくなるだろう
という指摘もあります。

○櫻井
国民はこの問題を
どう受け止めているのか、
今月NNNと読売新聞が行った
世論調査では、
旧宮家の男系男子を
皇室に迎えることについては
賛成は「46%」反対が「36%」と
国民の意見がまとまっているとは
とても言えない状況にあります。
養子となる旧宮家の側、
養子を迎える皇室の側は
どのような意向を
持っているのでしょうか?
○社会部・皇室担当
森浩一デスク
先日、旧11宮家の1つである
旧久邇宮家生まれの方に話を聞きました。
叔母が昭和天皇の后である香淳皇后で、
上皇さまのいとこにもあたる
久邇朝宏さん81歳です。

○旧宮家
久邇朝宏さん(81)
「私がなれと言われたら拒否します。
国民が納得できる人にはなれないからです。
今さら何を言ってやんでという感じで。
今までそういう(皇族としての)教育も
何も受けたことがない人が
いきなり戻れと言われたら
それは無理だと思います」

○社会部・皇室担当
森浩一デスク
久邇さんはあくまでも
ご自身の意見として
「戻ることはない」と述べ
ほかの旧宮家の人が
戻りたいかどうかは
人それぞれだと話しています。
○櫻井
一方、皇室の方々のご意向は
どうなのでしょうか
○社会部・皇室担当
森浩一デスク
先日天皇陛下は
記者会見でこう話されています。

「皇族数の確保の在り方についての
議論においても、
国民の皆さんの理解が
得られるものとなることを
望んでおります」
○社会部・皇室担当
森浩一デスク
陛下は普段から
「制度に関わる事項については、
私から言及することは控えたい」
というスタンスを貫かれています。

その上で今回はさらに
「皇室の在り方や活動の基本は、
国民の幸福を常に願い、
国民と苦楽を共にすることだ」と
改めて考えを示し、
「国民の理解を」と話されました。

陛下の発言について
旧宮家の久邇さんに尋ねたところ、
「真意は分からない」としつつも、
陛下の話された通り、
「宮家も国民と苦楽を
共にするような生活をすべきで
国民の支持を得るためには
そのような人でなければならない。
可能な人はいるのかなと思います」
と話していました。
この問題は
国の根幹に関わることであり、
陛下も話されるように
「国民の理解」が大切で、
理解が深まっているとは
言えない世論調査の結果をみても、
より議論を深める必要があると思います。
○櫻井
25日に政府が
各党・各会派に対して
説明を行うということで、
そこで了承が得られれば
皇室典範改正案が国会に
提出される見通しです。