#255 「自民党総裁選」世論調査から見える各候補の強み・ポイントは?
○櫻井
告示まで
あと1週間となった自民党総裁選は
この5人で争われる
公算が大きくなっています。
総裁選のポイントについて、
政治部・矢岡解説委員とお伝えします。
○政治部 矢岡亮一郎解説委員
最新の世論調査で
高市氏・小泉氏
「2強」の構図が見えてきました。
まず「次の自民党総裁に誰がふさわしいか」
聞いたところ
石破首相を除く
2024年の総裁選に立候補した
8人の中から選んでもらうと
1位は高市氏、29%。
2位に小泉氏、25%。
支持率で3位以下を
大きく引き離しているんです。
○櫻井
2024年の総裁選では
高市氏が2位、
小泉氏が3位となっていましたが
支持される要因は
どこにあるのでしょうか。

○政治部 矢岡亮一郎解説委員
注目して頂きたいのが
今回1位だった高市氏、
自民党支持層に限ってみると
8月に12%だった支持が
9月になると28%にまで
跳ね上がっています。
自民党支持層と
総裁選で投票権を持つ党員は
必ずしも一致はしないですが、
この跳ね上がり方は
党員票の伸びにもつながる可能性がある。
高市氏にとって良いデータといえます。
○櫻井
一方で、小泉氏は
今回の調査では高市氏と
4ポイント差の2位ですが、
どうみられますか。

○政治部 矢岡亮一郎解説委員
あります。
小泉氏にとってカギとなるのが、
辞任をするいわゆる“石破票”の動向です。
今回の調査で
石破内閣の実績を「評価する」と答えた人のうち、
33%が小泉氏を
次の総裁にふさわしいと支持していて、
18%が高市氏と大きく上回っています。
「大いに評価する」と答えた人に限ってみてみると
42%が小泉氏がふさわしいと言っていて
高市氏は5%。
さらに大きく上回っているという
“石破票”の獲得を小泉氏にとって
期待できるデータになります。

○櫻井
ただ、今の自民党は
衆・参で「少数与党」ということで
総裁になっても
すんなり総理大臣
とはいかないですよね。
○政治部 矢岡亮一郎解説委員
まさに、そこもポイントです。
今回、自民と公明の連立に加わる相手として、
3党に限って
どの政党が望ましいか聞きました。
最も多かったのが国民民主党でした。
この国民民主党の支持層に限ると、
次の自民党総裁にふさわしいと答えたのが
高市氏が50%、小泉氏が6%と、
圧倒的に高市氏を支持している
結果になっているんです。
高市氏と国民民主党には
「積極的な財政出動」などの
政策の共通点もありますから
連携候補の支持層からの支持は
高市氏にとっての好材料といえると思います。
一方で、小泉氏ですが
記憶に新しいのが
8月に大阪・関西万博で、
日本維新の会・吉村代表と
並んでカメラ前で
取材に応じたシーンです。
小泉氏は吉村代表について
「改革の魂をもった政治家」だと
持ち上げているんです。
信頼関係
そして、維新と一定のパイプが
あることをアピールしました。
次の総裁選びは
どの野党と連携ができるか
ポイントとなります。

○櫻井
一方で党内みてみますと
一定の影響力を持つ
首相経験者の動向も
カギと言われていますよね。
○政治部 矢岡亮一郎解説委員
自民党で唯一の派閥を率いる
麻生最高顧問は
2024年の総裁選で
高市氏支持に回り、敗れました。
麻生氏の周辺は
「今回は失敗できない」と話していて、
勝ち馬を見極めようという
姿勢がうかがえます。
岸田前首相は
前回、決選投票で
高市氏以外への
投票を呼びかけたとされていますが、
今回はまだ本人の腹の内は見えません。
一方、菅副総裁は
小泉氏の後見人的な立ち位置で、
小泉氏の支持は間違いないとみられています。
○櫻井
今回、自民党員の選挙とはいえ、
総裁は次の総理大臣になる
可能性が高いですし、
政治を前に進めるという意味では、
例えば税のあり方など
私たちの生活にも直結しますので、
どんな日本にしたいのか
語っていただきたいですね。

○政治部 矢岡亮一郎解説委員
今回の調査では
特に議論してほしい政策・課題として、
物価高対策
景気や雇用に次いで
外交や安全保障が
3番目に挙げられました。
日本の周りを見れば
中国・ロシアの
台頭していますよね。
各候補は何を掲げ、何を訴えるのか。
何より日本をどんな国にしたいのか、
しっかり見ていく必要があります。
○櫻井
総裁選は今週、
相次いで政策発表が予定されていて、
会見ラッシュとなる見通しです。