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能登半島地震から2年~故郷・輪島で新たな歩みと続く葛藤~

2026.01.12

震災から2年となった
能登半島地震の被災地。

建物は公費解体され
少しずつ前に進む一方で
震災で“人口減少”という課題が
加速しています。

私はきょう
能登の現状に葛藤を抱えながらも
一度は離ればなれになった
家族とともに
能登で“新たな歩み”を始めた
男性を取材しました。

「ずいぶんと更地となっている場所が
 増えている印象があります。
 このあたりも、建物が
 以前はまだ立ち並んでいた
 記憶があります」

能登半島地震から2年。

大規模火災が起きた「輪島朝市」。

今は公費解体が進み
更地がさらに広がっていました。

○櫻井
「ご無沙汰してます。
 お久しぶりです!
 うれしい、お元気そうで」

再会したのは、
輪島朝市に店舗を構える「日吉酒造」。

○櫻井
「初めてお会いしたとき
 このあたりでしたよね?」
○日吉酒造・日吉智さん(51)
「ここですね」

2年前出会ったとき
この場所に立っていた酒蔵も…。

2025年の年末、解体され
井戸だけを残して、更地に。

現在、
県内の酒造仲間の酒蔵を借りて
酒造りを続けています。

○櫻井
「解体が進むと
 お気持ちいかがですか?」
○日吉酒造・日吉智さん(51)
「スイッチが切り替わるというか
 改めて前向きに
 頑張っていかなきゃなという気にはなる」

ただ震災当初よりも
人件費や資材の高騰などで
再建費用が2倍近くになる可能性があり
大きな悩みになっているといいます。

復興が進むなかで、見えてくる現実。

それでも1人1人が
歩みを進めていました。

○櫻井
「こんにちは」

惣領泰久さん、43歳。

ここは輪島朝市の隣にある「わいち通り」で
惣領さんが営むイタリア料理店。

○惣領泰久さん(43)
「ここは仮設店舗になります」
○櫻井
「いままさに準備中?」
○惣領泰久さん(43)
「準備中ですね」
○櫻井
「いつごろ開店を目指して?」
○惣領泰久さん(43)
「来週あたりを目指している」

あれから2年。
ようやく本格的に
営業を再開するといいます。

笑顔が絶えない惣領さん。

ただここまでの道のりは
長く険しいものでした。

店の目の前に建っていたのは、
かつての店舗兼自宅。

地震で建物が傾いてしまい、
取り壊しが決まっていました。

ここで妻と3人の子どもらと
暮らしていた惣領さん。

しかし震災で、家族は離ればなれに…。
店の再開を目指す惣領さんは輪島に残り、
妻や子どもたちは
金沢に避難することになったのです。

○櫻井
「生活はどうだった?」
○惣領泰久さん(43)
「毎週末、家族に会いに金沢に走っていたが
 しんどいときもありましたね。
 正直言って。
 向こう(金沢)で家族と過ごして
 こっちに帰ってくる」
○櫻井
「1人で?」
○惣領泰久さん(43)
「帰ってくる間にも
 ずっと道路が崩れている。
 被災地と呼ばれているところに
 自分が戻っていく行為が
 よくわからなくなるときがあって」

妻・めぐみさんは、
当時の心境について。

○妻・めぐみさん(36)
「金沢行こうと決めたときは
 とにかく子どもを守らなきゃ
 という気持ちが大きかった」
「戻ることは最初から決めていて
 旦那は輪島が大好きだし
 輪島でお店をやりたい。
 それは私も一緒の思い。
 子どもたちも『輪島に戻りたい』って
 ずっと言っていて」

そして2025年春、
二男の小学校入学に合わせて、
再び家族そろって
輪島での生活を始めました。

サッカーに夢中の長男・成くん。

○櫻井
「輪島に戻ってきたときはどうだった?
うれしかった?」
○長男・成くん(9)
「うん」
○櫻井
「いま楽しい?」
○長男・成くん(9)
「楽しい」

○惣領泰久さん(43)
「結局誰とどこに住むかですよね」

本格的な営業再開を前に、
この日の夕方、店舗ににぎわいが…。

惣領さんが、
仲間と被災地の食を支援するための
イベントを開いていました。

実は開催には、もう1つ事情が…。

○惣領泰久さん(43)
「普通の生活が大変ですよね」
○櫻井
「どういう点が?」
○惣領泰久さん(43)
「輪島ってお子さんが多い
 家庭が多いんですよ。
 みんな子供たちに
 普通の状況を作りながら、
 普通ではない状況で
 みんな働いているので。
 そのギャップが大変だと思う」
○櫻井
「子供たちに感じさせないように
 親は努めるけど?」
○惣領泰久さん(43)
「週末いろんなところに
 遊びに連れて行ったり、
 サッカーの試合があると
 週末に金沢に行ったり
 で、帰ってきて仕事を繰り返している
 そういう親御さんがめちゃくちゃいる」

人が集まって、
“少しでも楽しく過ごしてほしい”
という願いを込めて…。

一方で、惣領さんにも大きな悩みが。

いま震災前と比べて、
人口減少が進む輪島市。
特に多くの若い世代が
輪島を離れているといいます。

○惣領泰久さん(43)
「中学生で能登半島を出ていく
 選択肢が当たり前になっている。
 それを視野に入れないと」

3年後、中学生になる長男。
ただ再び家族が離れたとしても、
背中を押したいといいます。

○惣領泰久さん(43)
「部活とか、何か一生懸命
 打ち込みたいとなったときに
 環境がそろっている場所に
 行くべきだと思うし、
 それは僕らは止められないので
 子どもの好きなように
 させてやりたいなと」

 

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