#245 コメ価格値下がり傾向も… 「地域格差」なぜ?
〇櫻井
6月22日までの1週間に
全国のスーパーで販売された
コメの平均価格は、
前の週より119円下げて
5キロあたり
3801円となりました。
2週連続で
4000円を切りましたが、
一方で「コシヒカリ」などの
銘柄米は4300円台で
「高止まり」しています。

その一方で、
明らかになってきたのが
コメ価格の「地域格差」です。
農水省が6月27日に公表した
全国のスーパーや
ドラッグストアなど
およそ6000店舗を
対象にしたデータを見ますと
5キロあたりの平均税込価格で…
<東北は3259円>
<信越が3396円>
となっているのに比べて
<中国・四国は3976円>
<近畿が3877円>
そして、最も高いのは
<東海の4232円>と、
実は「西高東低」の
傾向が見られるんです。

〇藤井
一番高い東海地方と
東北地方の差を見てみると
だいたい1000円くらい
ありますよね。
〇櫻井
6月初旬にzeroが取材した
各地のお店に、話を聞いても
こうした傾向に変わりはなく、
宮城県のスーパーからは
「他の地域は高いと思う」
三重県のスーパーからは
「(他の地方より)高いと思うし
安くなってほしい」
という声が聞かれました。
なぜ、このような地域差が
生まれるのか?
コメの流通に詳しい
折笠さんに伺いました。

○コメの流通に詳しい
流通経済研究所
折笠俊輔 主席研究員
「いくつか
理由は考えられまして。
基本的に、コメの大産地
と言われるのは、
北陸、東北、北海道という
北・東側にけっこう多いです」
「米どころの東北などは
地元のコメがあって、かつそれは
流通経路が短かったり、
物流の距離も短いので、
比較的やっぱり
ローコストで各産地に入ってくる」
「暖かい地域は『米どころ』
というところでも
なかったりするので
物流費を考えていけば、
同じコメの値段でも、
輸送距離が長くなった分、
コストが上がっていくという
構造になる」

「かつ『備蓄米の倉庫』が
どこにあるのか?
非公開ではありますが、
産地からものすごく
遠いところまで運んで
保管するというのも
なかなか考えにくいので、
おそらく備蓄米の
保管場所っていうのも
(東から)西側に運んでいく分、
輸送距離は長くなりますので
西側の方が
価格が高くなるというのは、
輸送コストを考えると、
あり得る話かなと思います」
〇櫻井
では、今後はどうなって
いくのでしょうか?
〇流通経済研究所
折笠主席研究員
「小売に直接備蓄米が
注入されているところから、
『むしろ8月までに
全部出しきれるか』
不安になっているような状況」
「卸業者への発注が減っている」

「銘柄米の在庫が少し余り
始めるという現象も
発生していると思います。
(業者がコメの)取り合いを
無理にしなくなって
いきますので、
バブル的な価格の高騰という
ところは抑えられて
きていると思います」
〇櫻井
折笠さんによると、
価格の「地域格差」に関しても
5キロ
およそ2000円の備蓄米が
全国に出回れば、地域差は
狭まっていくか、
無くなっていくだろう
ということです。