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#238 「コメ高騰で“肉”にも意外な影響が」

2025.04.21


○櫻井
実は今、コメ価格の高どまりが
「お肉」にも影響を
及ぼしているということで、
取材してきました。


○櫻井
「こんにちは」

伺ったのは栃木県日光市にある、
養豚農家です。

 ○櫻井
「こちらは
 どのくらいのブタがいて、
 1日どのくらいのエサを
 与えることになるんですか?」

○今市ファーム永吉幸次さん
「3000頭この建物でいます」

○櫻井
「3000?」

○永吉さん
「肉豚用のエサで1日
 だいたい4トンですよね」

○栃木県開拓農協 秋元一郎さん
「これがですね、
 うちの豚の仕上げのエサです」
「エサの中には飼料用米が
 45%入っています」

○櫻井
「45%」 
「およそ半分は、
 お米が入っている?

○秋元さん
「お米が入っています」
 
「こちらがお米を食べて育った
 とんかつ“平牧三元豚”です。
 ぜひ食べてみてください」

○櫻井
「いただきます」
「色がまずきれいですよね、
 ちょっと白みがかっている
 というか」

 

○秋元さん
「お米を食べていると
 脂身が白くなるんですね」

○櫻井
「やわらかくて…あっ…甘い!」
「うまみがじゅわーっと
 広がってきますね!」

○櫻井
「特に脂身が甘みを感じますね」
「お米を食べて育った豚肉は
 甘みが特徴ですか?」

○秋元さん
「お米を食べると甘みが増すとは
 よく言われていますね」
 
○櫻井
「コメ価格の高騰が
どういった影響を及ぼしていますか?」

○秋元さん
「主食用米の値段が
 上がっていることに対して、
 飼料用米の生産が
 減ってきている」

「どうしても飼料用米から
 主食用米にシフトしている
 という形です」

「減った分については
 ブタには我慢してもらって
 コメの量を減らすという形を
 とろうと思っています」
 

実は、これまで政府は
食料自給率の向上を目指して
国産の飼料用米を育てる
コメ農家に補助金を
出すなどして
生産を促してきました。
 
しかし、主食用のコメが
不足している今、
エサとしての米不足も
起きているのです。
 
私が先週取材したコメ農家の
多田さんも
飼料用米から主食用米へ
比率を8対2に増やすなど、
「シフトチェンジ」が
急速に進んでいます。

○櫻井
「エサはどこで
 どのようにあげて
 いらっしゃるんですか?」

○吉永さん
「自動的に流れてくる
 仕組みになっています」

○櫻井
「まさに今こちらの飼料は
 コメ配合のものですか?」

○永吉さん
「そうですコメが入っている
 エサですこれが」

○櫻井
「本当だ、45%」
「ああ今食べていますね!
 今エサ食べに行った」
 
コメの生産に詳しい
宇都宮大学の松平尚也助教は、
今年秋の飼料用米の生産は
さらに「大きく減る」と
予測しています。
 
永吉さんの農場では
コメの比率を下げ、
元々飼料として使っていた
トウモロコシの
比率を増やすことも
想定しているということです。
 
○櫻井
「米の価格も高騰、
 あとトウモロコシの価格も高騰。
 これダブルパンチ
 なんじゃないかと
 感じたんですけど」

○秋元さん
「配合飼料価格は
 4年前くらいから比べると
 倍近くは上がってきている」

○櫻井
「倍!」
「ただ、それを消費者の皆さんに
 届ける価格に反映させるかは…」

○秋元さん
「いままでも飼料代が徐々に
 上がってきた段階で
 食べていただいている方にも
 負担はしてもらっています」

「ただ、消費者の皆さんの
 生活も大変なので、
 (コスト増分の値上げは)
 おさえている、という形に
 なっています」

 

○藤井
「養豚農家の皆さんも
 努力と工夫を重ねて今がある
 状況ですが、
 エサを与えて何かを
 生産している農家・業界は
 同じような悩みを
 抱えているんじゃないですか?」
 
○櫻井
そうなんですよね。
きょう取材した農家だけでなく、
埼玉県で「たまご」を
販売する養鶏業者からも
「飼料用米が足りず、
 今まで最大25%
 配合していたのを
 16%ほどまで下げて対応」
 している、という声が
 聞かれました。
 影響のさらなる広がりが
 心配されています。
 

 

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