#286 千葉豪雨…大学病院の“連携”で 手術が再開
■千葉豪雨 ”病院の連携”で手術が再開
千葉県を襲った記録的な豪雨では、
医療にも大きな影響が出ました。
地下施設が冠水した影響で
一時、すべての手術がストップした
千葉大学病院では、
24日から一般的な手術の
一部が再開されました。
実は、この再開の裏側には、
千葉と東京、直線距離にして
およそ35キロを結ぶ
大学病院同士のタッグ。
“新たな連携の形”がありました。
■千葉豪雨 病院が被災・・・手術がストップ
21日金曜日の午後。
東京・お茶の水の
東京科学大学病院に
運び込まれたのは、
病院の手術で使われた器具です。
この「使用済み」の器具が
届けられた理由とは?
○スタッフ
「洗浄器に入れる前に
手作業で洗浄しています」
手術で使うために
欠かすことのできない、
「洗浄や滅菌」を行うためです。
受け入れが依頼されたのは
1日最大200セット。
40件ほどの手術が
行える量だといいます。

記録的な豪雨で
地下の設備が冠水した千葉大学病院。
冠水したのが、
排水処理を行う設備だったため、
水を大量に使う洗浄機などを
動かすことができなくなり、
一時、手術が完全に
ストップしました。
この問題を解消しようと
名乗りを上げたのが、
同じ国立大学の
東京科学大学病院でした。
なぜ、距離が離れた病院の
洗浄施設が必要だったのか。
依頼をした側の医師は?
■病院が連携 設備を借りて”洗浄・滅菌”
○洗浄を依頼した
千葉大学病院
穂積崇史 医師
「まずは近隣の施設に
ご協力いただいて
なんとか洗浄・滅菌
継続したんですけれども
スタッフを派遣する
必要があったり、
元々業務をしている合間で
お借りするので
どうしても(洗浄をできる)
量としては下がってしまう」
さらにもう一つ。
洗浄を受け入れた側の医師は?

○洗浄を受け入れた
東京科学大学病院
久保田英雄 材料部部長
「ロボット手術用の器具が
なかなか洗えるところが
ないということで
そういったところも含めて
当院で引き受けられる」
私が去年取材した
別の病院で見せていただいた
「手術支援ロボット」。
ロボットに使われる器具は、
洗浄や滅菌に高度な技術が
必要となります。

○洗浄を受け入れた
東京科学大学病院
久保田英雄 材料部部長
「東京科学大学としましては
元々災害時対応ということで
このような施設と仕組み
というのを
想定しておりました」

24時間稼働できる
最新の設備を備えていて、
手術を止めることなく
他の病院の作業を
受け入れることが
できるといいます。
今回、東京科学大側から提案し、
千葉大側からも要請する形で
この連携が実現したそうです。

こうして、洗浄され
東京から千葉に届けられた器具。
千葉大学病院では24日から、
一般的な手術も一部再開。
通常のおよそ50%まで
回復出来るといいます。
■櫻井翔取材 ”多くの人救う”初の病院連携
今回、こうした連携が行われた
意義について、
東京科学大学の田中学長が、
インタビューに応じました。

○櫻井
「こういった取り組みは、
これまでにも
あったんでしょうか」
○東京科学大学 田中雄二郎学長
「国立大学病院同士で
(洗浄・滅菌を)やったというのは
おそらく初めてだと思います」
○櫻井
「新しい病院連携の形の礎となる
一歩だったのでしょうか?」
○東京科学大学 田中雄二郎学長
「そのように思います。ふつう
病病(病院同士の)連携
というのは患者さんの治療に
当たることを指しますが、
こういう医療材料の病病連携
というのもあるんだなと」

○櫻井
「そうした取り組みは
他の大学でも
始まっているんですか?」

○東京科学大学 田中雄二郎学長
「それがまだそうでもない」
「(災害時の洗浄・滅菌)
こういうことがおこりうる
ということを
今回認識したんですね。
例えば全国規模でおこった場合に
お互いに助け合うような
システムを普段から
考えないといけない」
「もともと医療は一病院だけで
完結することはないですよね。
お互いに助け合うことで
多くの人が救われていくことが大事。
ある意味“お互いさま”というか
お互い助け合うことが
当たり前だと思います」
千葉大学病院では、
排水施設が回復するのを
8月末とみていて、
器具の洗浄連携は、
今後も2~3週間続けられる
見通しだということです。