• キキコミ

#249 火災多発!リチウムイオン電池“捨て方”問題

2025.07.28

JR山手線の車内で7月、
スマートフォンを充電していた
女性のモバイルバッテリーが突然発火し、
この女性がやけどをするなど
5人がケガをしています。 


そして、東京消防庁提供の映像。
女性があわてた様子で
電動アシスト自転車をとめますが、
その数秒後には炎が燃え広がり…
次の瞬間。

爆発を起こして、
火が自転車全体を包み込みました。
この自転車のバッテリーに
使用されていたのが
「リチウムイオン電池」です。


 
いま、私たちの身の回りにある
リチウムイオン電池の
発煙や発火の事故が頻発していて
環境省の最新の数字では
年間2万件を超えています。
私たちの身の回りには
バッテリーが入った製品があふれています。
・モバイルバッテリー
・コードレス掃除機
・加熱式たばこ
・スマートフォン
・ハンディーファン
・作業服のファンなど
持ち運びが出来る電化製品の
多くに使われています。
 

 
ただ、こうした製品。
中には「ごみ集積場に捨てられない」
「捨て方が分かりづらい」モノが
あるのをご存じでしょうか?
 
○藤井
ちゃんと捨てたいのだけれども
どうしていいかわからないので困っている方
いらっしゃると思います。
 
○櫻井
ご家庭から捨てる場合、主に
①市区町村・自治体による回収
②メーカーの団体などによる回収
の2通りの方法がありますが、
環境省の調査によると
「自治体のおよそ4分の1」が、
「回収していない」。
さらに、メーカーの業界団体も
回収しているのは、
会員メーカーの製品のみで
「会員以外の製品」や
「膨らんだり、傷ついたりしたモノ」は
回収していません。
自治体によっては、
「捨てる場所がない」のが現状なんです。

いったい、なぜなのか?
専門家に伺いました。


 
○櫻井
「火災が頻発しているリチウムイオン電池、
 なぜ回収できない?」
○国立環境研究所
 寺園淳 上級主席研究員
「自治体の方でも、できるだけ
 リチウムイオン電池が入った
 製品は分けて集めようという
 方向にはなっている。
 ただ、人が足りない、予算が足りない、
 あるいはスペースがないとか」
○櫻井
「対応するにも時間・人・お金、
 足りないものがある自治体が多い」
○国立環境研究所
 寺園淳 上級主席研究員
「消費者も自治体も集め方や出し方を
 知らなかったということがあると思う。 
 もっとメーカーや国も協力して、
 自治体や消費者を助けてもらう
 必要があると思っています」

○櫻井
「私たち消費者として
 今後できること、
 対応していくことは?」
○国立環境研究所
 寺園淳 上級主席研究員
「メーカー、自治体、消費者は、
 他人事だと思わないで、
 便利だけど不適切な扱いをすると
 危なくなるものの取り扱いをどうするのか
 もう少し真剣に考える必要がある
 と思っています」
「まず買う段階からできるだけ
 確かなメーカーの製品を買う。
 廃棄するときは、
 リチウムイオン電池を分けて、
 その後、集めやすいような形にして
 出してもらうということが
 大事だと思っています」

○櫻井
改めて、捨てる時には、
【<自治体名>
 リチウムイオン電池
 捨て方】
などで検索して、
お住まいの自治体の回収方法を
確認してほしいと
環境省は呼びかけています。
また、手元に
「ふくらんだ・傷ついた」
製品があって
(捨て方を)調べても分からない場合、
自治体に問い合わせて、
安全な廃棄方法を
相談してほしいということです。
自分が使っている製品が
メーカーのリコール対象に
なっていないかも、ぜひご確認ください。
 
今後、命に関わる事故が
起こらないとは言い切れません。
消費者にわかりやすい安全な処分の方法を、
政府・メーカー・自治体が
一体となって示してほしいと思います。

 

こちらの記事もオススメ!