#243「それって本当?」選挙と“フェイク情報” どう向き合う?
○藤井
SNSで得た情報に
疑問を抱きながらも、
自分の意見として取り入れた
経験はないでしょうか?

○藤井
6月22日に投開票となる
東京都議会議員選挙と
夏の参議院議員選挙が
迫ってきました。
日本テレビのニュース番組では
「投票前に考える
それって本当?」と題して、
選挙の際にあふれる様々な情報と
どう向き合っていくべきか
考えていきます。
初日のきょうは
櫻井さんのキキコミです。
○櫻井
この選挙に向けて
私たちは
どう情報と向き合えばいいのか。
ここからは、
ネット上の偽情報や誤った情報、
いわゆるフェイク情報などを
研究する
国際大学の山口真一准教授に
話を聞いていきます。
よろしくお願いします。

○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
よろしくお願いします。
○櫻井
山口先生、
都議選・参院選とフェイク情報
どれくらい影響があると
考えていますか?

○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
2024年も非常に様々な
選挙がありました。
その中でもSNSや
動画共有サービスが
大きな影響力を持ったと言われています。
ただ、残念ながらフェイク情報や
真偽不明情報、過激な情報も
多く拡散されてしまいました。
私たちが過ごしている
民主主義社会は
私たち、有権者ひとりひとりが
情報収集して考えて
投票先を決めることによって
社会の方向性を決めていく
というようなシステムです。
しかしながら情報収集する中に、
フェイク情報が
多く含まれてしまえば
それだけ社会はねじ曲がった
方向にいってしまうかもしれない、
フェイク情報のまん延というのは
民主主義の危機をもたらす
可能性もあるといえます。
○櫻井
“民主主義の危機”という言葉が
ありましたが、
山口先生が以前行った実証実験で、
その理由がわかるんです。

どういうものかといいますと、
ある政治家2人に
不利なフェイク情報を出します。
それを聞いた支持者が
どう動くかというものなんですが、
ある人たちは、
それでも支持を変えなかった。
一方で、
ある人たちは支持をやめた、
という結果が出たんです。
それぞれどんな人たちかというと、
支持を変えなかったのは
いわゆる「熱烈な支持者」。
一方で、支持を変えたのは
「ライトな支持者」。
ここに重要なポイントがあると
いうことですね。
○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
実はライトな支持者というのは
人数で言うと
非常に多い人たちなんですね
多い人たちがフェイク情報に
よって支持を変えやすい
ということは
それだけ選挙結果に
フェイク情報は
大きな影響を
与えうるということが
研究からわかったわけです。
○櫻井
フェイク情報を見極めるのが
大事と思いながらも、
どうしても気になる言葉が
(動画の)サムネイルにあると
つられてクリックしてしまうと
いうこともあるかと思いますが、
ここも注意が必要と
いうことですよね。

○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
いま私たちは個人個人も
動画サイトあるいは
SNSを使って広告収入を
稼ぐことができるわけですね。
その中で
人々の目を引きたいがために
派手なサムネイル、
過激なサムネイルにしたり
過激な情報を扱ったり、
フェイク情報を扱ったりする。
こういったことが
非常に増えています。
フェイク情報というのは
ファンタジーですので
いくらでもセンセーショナル、
つまり目を引くような情報にできます。
その中で私たちの感情を
刺激するような内容も
多くあります。
そういった中で
つい見てしまったり
拡散してしまったり
ということがおこるわけですね。
○藤井
確かに感情を刺激されて驚いたり、
許せないと思ったりすることがあると
つい誰かに言いたくなる、
というのもありますよね。
○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
その結果、フェイク情報は
事実に比べて6倍のスピードで
拡散していくということが
わかっています。
私の研究では、
フェイク情報を拡散する
手段として、
インターネット、SNSでのシェアとか
リポストだけではなくて
家族・友人・知人との直接の会話、
そういったもので
拡散するというのが
実は一番多いことが
わかったんですね。
つまりフェイク情報問題というのは
インターネットだけでなく、
社会全体の問題である
ということがいえます。
○櫻井
直接の会話というのも
また驚きですけれども、
広まるスピードが早く、
たとえ真実ではなくても、
消し去るのは
困難な状況になっています。
だからこそ、ひとりひとりが
だまされないことが求められる今、
選挙に向けて
SNSとどう向き合っていけば
いいんでしょうか。

○ネットのフェイク情報などを研究
国際大学
山口 真一 准教授
まず知っておく必要があります。
それは選挙時には
様々なフェイク情報が流れやすく、
また私たちは誰もがだまされる
可能性があるということです。
私の研究では
大半の人がフェイク情報に
だまされていました。
そういったことを意識して
情報空間に接するのが
とても大切です。