辺野古転覆事故から3か月…武石知華さん遺族が語る「全容解明を」
■2人死亡…辺野古ボート転覆事故

3月16日。
生徒を乗せた船は
白波の上を走っていました。
このあと…。
2隻の船は転覆。
生徒ら14人がケガをし、金井創船長と…
同志社国際高校2年の武石知華さんが亡くなりました。
■武石知華さん遺族の3か月

事故から6月16日で3か月。
亡くなった知華さんの遺族が私たちの取材に応じました。
○櫻井
「ご家族の皆様が今
知りたいこと、伝えたいことはどういったことでしょうか?」
○武石知華さんの母
「尊い命に対してもうちょっと何か出来ることが
あったんじゃないか」
○武石知華さんの姉
「一番は二度と同じような事故を起こしてほしくないですし
二度と子供たちを政治に巻き込まないでほしい」
事故当日の朝、
友人と朝日を見たという知華さん。
しかし…。
○武石知華さんの母
「ともちゃん ママきたよ。
どこに引っかかっちゃってた?
怖かったね…ともちゃん」
事故のおよそ2週間後、
遺族はSNSで発信を始めました。
○noteより(武石知華さんの父)
「どちらか偏った情報を一方的に
インプットされるのであれば
それはもはや『平和教育』ではありません」
「定員ぎりぎりの生徒を乗せ
海上保安庁の船が監視する中
抗議活動の場を通り抜ける―
それを第三者がどう見るかは
火を見るより明らかです」
○櫻井
「力強くメッセージを発信されてきた理由は
なんでしょうか?」
○武石知華さんの姉
「1番はやっぱり知華のことを誤解してほしくない」
○武石知華さんの父
「今はもうそういう声は
非常に少なくなっているという前提で
お話しさせていただきますけど、
世間から見ると抗議船に乗っていた生徒たち、
『自業自得だ』とか
『体を張って抗議をして命を失ってよかったね』とか」
○武石知華さんの姉
「『名誉だね』とか」
○櫻井
「政治的活動をする船に乗るということが
事前に周知されていたわけではなかったということで間違いない?」
○武石知華さんの父
「はい」
○櫻井
「知華さん自身もそうしたことは分からないまま
結果として乗ってしまった状況?」
○武石知華さんの母
「抗議船っていうキーワードは一切なくて」
○櫻井
「一切ない?」
○武石知華さんの姉
「船の写真も全くなくて
ただ辺野古でボートに乗って
きれいなサンゴ礁を見る」
○武石知華さんの母
「工事中の基地を見るとは書いてあったんですけど
抗議船に乗るとかもなくて」
実際、研修旅行のしおりには、
「辺野古基地」という記載はありますが
「抗議船」に乗ることについては
書かれていませんでした。
文科省は調査の結果、
この研修旅行の在り方が政治的中立性を定める
教育基本法に違反すると結論づけています。
■辺野古事故…研修旅行の目的は
一方、事故の翌日、
学校側は研修旅行の目的について。
○同志社国際高校
西田 喜久夫校長
「抗議活動には立ち会うようなことも
一切ございません
あくまで辺野古の海の美しさを感じ
そしてそこにたつ基地の姿を見る
特定の政治的・思想的なものを
持つように指導するような
研修旅行では全くございません」
生徒に特定の政治的・思想的な教育を行うことが
目的ではなかったとしていました。
■辺野古事故…安全管理体制は
そして、もうひとつ遺族が疑問を呈するのが、
安全管理体制についてです。
○武石知華さんの母
「あんなに間違えたことが嫌いで
1つ1つ丁寧に生きてきた子が
なんでこんな大人のずさんさの犠牲に
ならなきゃいけなかったんだろうと悔しくて」
事故当日、現場海域では
波浪注意報が出されていました。
学校は、出航判断について。
○同志社国際高校
西田 喜久夫校長
「船長の判断にお任せしたということです。
私どもと金井先生の間の信頼関係の中で
大丈夫だということで」
船の運航団体のヘリ基地反対協議会も。
○ヘリ基地反対協議会
浦島 悦子 共同代表
「海況は悪くなかったと
それで船長も大丈夫と出航の判断をされた」
どちらも出航判断は“船長に一任”していました。
また、引率の教員は“乗り物酔い体質”などを理由に
船には乗っていませんでした。
○櫻井
「子を持つ親の立場としては
信じるは学校しかないと思うが?」
○武石知華さんの父
「なぜ安全管理が十分にとられていないところに
生徒だけ乗せてしまったのか。
なぜ(金井船長を)そこまで信じられるのかなって
そこがちょっと不思議なところ」
文科省の調査では、ほかにも
・船長への過信で下見は行われず
・教員は波浪注意報が出ていることを
把握していなかった
・生徒にライフジャケットの付け方の指導がなかった
など安全管理体制の不備が指摘されています。
また、報告書では過去に船に対して
恐怖を感じた生徒がいたということです。
しかし、高校で
このプログラムの見直しに繋がる議論は
ありませんでした。
■過去に恐怖感じた生徒も…高校の回答
なぜ、生徒の声があったにもかかわらず
プログラムは漫然と続けられたのか。
zeroが同志社国際高校に質問を投げかけると
書面で回答がありました。
○同志社国際高校の回答
「辺野古のプログラム内容について
教職員会議等で疑問が呈されなかったのは
前例踏襲が背景にあったと考えており
校長の責任で止めることがなかったことについては
ガバナンスの不備であったと
認識しております」
知華さんと同じく
同志社国際高校に通っていた姉は。
○武石知華さんの姉
「私が沖縄行けなかったのもあって
研修旅行はコロナでなくなった代だった
『ねぇねの分まで楽しんでくるからね』って
言って出て行ったのが最後。
すごい大好きですごい誇れる
こんな事故起こす学校だと思っていなかった」
■なぜ事故が…運航団体を取材
なぜ、事故は防げなかったのか。
zeroは、もう一方の当事者、
「ヘリ基地反対協議会」に話を聞くため、
沖縄に向かいました。
○zeroディレクター
「日本テレビです」
直接、取材することは叶いませんでしたが、
団体の代理人弁護士から書面で回答がありました。
○ヘリ基地反対協議会 代理人弁護士
「『辺野古見学』に関わる一切の運用につきましては
亡くなった金井創氏個人が行っていたものであります。
代表らは今般の事故が発生するまで
金井氏が個人的に修学旅行生等の受け入れを
行っていた事実および
その具体的な運航内容について
知らされておりませんでした」
今後「遺族に直接謝罪をしたい」とした上で。
○ヘリ基地反対協議会 代理人弁護士
「当協議会としての海上における
一切の活動につきましては
当面の間、全面的に自粛(休止)することと
いたしております」
■“近づかない海”…当時の証言
事故当時、辺野古区長は
波浪注意報が出た海を見ていたといいます。
○辺野古区
德田 真一 区長
「結構白波が立っていた。
『ニンガチカジマーイ』という言葉があって
突然突風が吹いたりする
特にうねりがすごくて(漁師らが)避けて通る場所。
辺野古の海を知っている方は近づかないと思う」
船をめぐり、国は、
金井船長が船で人を運送する際に必要な場合がある
事業登録をしていなかったとして刑事告発しています。
家族が指摘する“大人のずさんさ”。
事故から3か月。
責任の所在を探る捜査が続いています。
■家族・友人が語る武石知華さん
○武石知華さんの姉
「とも おかえり」
無言の帰宅となった知華さん。
○武石知華さんの母
「よくがんばったね」
○武石知華さんの姉
「おかえり」
○武石知華さんの母
「1人でさみしかったね」
○武石知華さんの姉
「かわいそうに…」
○櫻井
「知華さんはどういったお子さんですか?」
○武石知華さんの父
「面白い子で動きも話す言葉も
コミカルな感じだった
小さいころから笑いをずっと
家族に提供してくれる
愛らしい存在でしたね」
○武石知華さんの姉
「(姉が)高校生までは
毎日ケンカして毎日言い合って
(今は)2か月に1回
会えるか会えないかだからこそ
姉妹の絆が深まった」
○武石知華さんの母
「自分が頑張りたいと思ったことは
きちんとできる子ですごく優しくて
周りにも気が使えてすごくいい子でした」
知華さんの友人は。
○武石知華さんの友人
「勉強熱心だったし成績も高得点だったので
真面目な知華もとても印象的でした」
アメリカの大学を目指していて、
ハーバード大学のサマースクールで
宇宙工学を学ぶなど、
将来に向け、努力を重ねていたという知華さん。
○武石知華さんの父
「自分が求めるのは全容解明ですので
誰がどういう経緯でどういう責任を持って
今回生徒が船に乗ることになったのか
実態をきちんと解明してほしい」