#274 国連・グテーレス事務総長に聞く安保理改革と日本の役割

5月18日午後6時ごろ、
高市首相と会談を行ったのは
世界193か国が加盟する
国連のトップ、
グテーレス事務総長77歳。
このおよそ4時間前…
その姿は日本テレビに。
5月17日から4日間の日程で
日本を訪れているグテーレス氏。
高市首相との会談や
天皇陛下への謁見、
そして国際会議など多忙を極めるなか、
今回日本のメディアで唯一、
「news zero」の取材に応じてくれました。
○国連
グテーレス事務総長(77)
「こんにちは」
○櫻井
「こんにちは、櫻井翔です」
気候変動や紛争問題などの
世界中の課題を解決するために、
"世界一困難な仕事"といわれる
事務総長を務めるグテーレス氏。
いま世界全体に混乱を
起こしている問題の1つが、
常任理事国のアメリカによる
イランへの攻撃です。
ホルムズ海峡の
事実上の封鎖などで
日本を含めて世界中に
大きな影響を与えていますが、
こうしたなか先週行われたのが
常任理事国のうち2つの超大国、
アメリカと中国の首脳会談です。
これをグテーレス氏は
どう見たのでしょうか?
○櫻井
「率直にどのような感想をお持ちに
なられましたか?」
○国連
グテーレス事務総長(77)
「平和に向けた会談のように
見えました。
ただ、今の世界が直面している
重要な課題において、
大きな進捗はなかったようです。
現状の世界の状況を劇的に
変える対策は見られませんでした」
世界の課題に
「大きな進展はなかった」と評価しました。
2017年から事務総長を務め、
2026年いっぱいで任期を終えるグテーレス氏。
○櫻井
「国連のトップとして振り返ってみて、
この10年どのようにとらえて
いらっしゃいますか?」
○国連
グテーレス事務総長(77)
「この10年間は世界で状況が
劇的に悪化した期間でした。
まず、平和を保つのが難しい状況で、
紛争は激増しています。
ロシアによるウクライナ侵攻や
アメリカによる爆撃など、
安全保障理事会の
常任理事国自身が国際法を
破ることがあります。
安全保障理事会は現状に
適しているとはとても言いがたいです。
現状の平和に対する課題に対処できるよう、
改革する必要があるのです」
任期中のおよそ10年で
危機的な状況に悪化したという世界情勢。
懸念点の1つとしてあげたのが
国連の安全保障理事会のあり方です。
常任理事国のアメリカ・イギリス
フランス・中国・ロシアを中心に構成され、
紛争の解決や制裁措置などを
決議するための機関です。
ただ、例えば、
ロシアによるウクライナ侵攻で
即時撤退を求める決議案の採択が
行われた際には、
ロシアが拒否権を
行使したことで否決されるなど、
国連の機能不全が指摘されています。
○櫻井
「実は2025年に中満事務次長に
お話を伺いました。
その際に、
『安保理は祖父母世代に作られたシステムで、
孫世代の未来を築くことはできません』と
事務総長がおっしゃっていたと聞きました。
安保理と国連の改革を口にしており、
安保理が正常に機能していない
という意見があるなか
国連は正しく機能しているのでしょうか?」
○国連
グテーレス事務総長(77)
「残念ながら安保理はすでに
世界の現状を反映しておらず
正当性に疑問がありますし、
拒否権などといった理由から
効果にも疑問があります」
○日本テレビ解説委員長
伊佐治健
「こうした国々が国連憲章に背を向ける、
踏みにじるような行為に出る
時代になってきました。
こうした中で常任理事国の5か国のシステム、
これが正常に機能していないという
現状がございます。
常任理事国のシステムを変えていく、
そういった考えはありますでしょうか?」
○国連
グテーレス事務総長(77)
「私たちは国連において常任理事国を
増やすことに力強く賛同してきました。
そしてアジアは非常に過小評価されています。
安保理においてアジアは1か国しか
代表がいません。
アジア大陸の人口も考えると、
安保理に常任理事国が1か国しか
いないのがおかしいことは明確です。
常任理事国や非常任理事国を増やし、
第二世界大戦後の体制ではなく、
今の世界を実際に反映した
ものにすべきです」
○櫻井
安保理の拡大など、
時代に合わせた改革をする
必要があると指摘します。
日本に求められることは―
○国連
グテーレス事務総長(77)
「私は日本のリーダーシップが
必要不可欠だと考えています。
日本には道徳的影響力を発揮する
役割がありますし核兵器もありませんし、
日本はふたつの核兵器によって
広島と長崎という2つの都市が
破壊された国でもあります。
核兵器のない世界に
意図的に進んでいくために、
こういった道徳的権威は全体の
努力として広げていかなくては
なりません」
○櫻井
「第二次世界大戦から80年間
これまでと同じように
これからも日本が
平和のままで居続けるには
どんなことが必要になってくると
事務総長はお考えですか?」
○国連
グテーレス事務総長(77)
「私は日本の懸念も認識しています。
北朝鮮の核武装やミサイルの懸念、
拉致被害者がいるにもかかわらず
適切な情報がない拉致問題に関して
私は日本に深く連帯しています。
日本にはたくさんの懸念がありますが
その懸念の中でも
日本は平和を支持する一貫した立場を
維持しています
日本は日本であり続ければいいんです。
日本は平和的な国であり
(これからも)平和的な国であり続けます。
間違いありません」