#282 緊迫するイラン情勢…長期化の可能性は?
■米・イラン“攻撃の応酬”続く
○櫻井
緊迫する中東情勢、
時系列で見ていきます。
アメリカとイランの
戦闘終結に向けた
60日間の停戦合意は
6月15日に成立し、
およそ1か月が過ぎました。
イランの前・最高指導者
アリ・ハメネイ師の国葬もあり、
一度協議は中断。
終了後に再開される予定でしたが、
7月6日、
ホルムズ海峡を通行しようとした
カタールのタンカーが
イランに攻撃されたことを皮切りに、
アメリカ側は
「明白な停戦違反」として空爆を開始。
7月11日から19日まで、
9日連続で攻撃を続けています。
一方、イラン側の報復攻撃で17日には、
ヨルダンでアメリカ兵2人が死亡しました。
さらにモジタバ・ハメネイ師は
「アメリカに忘れられない教訓を
用意している」と警告するなど、
緊迫した情勢になっています。
専門家は、
アメリカが戦闘の長期化も見据えて
戦い方に変化が起きていると指摘します。
■長期化も視野?米・イランの今後
軍事戦略に詳しい
元陸上自衛隊中部方面総監の
山下裕貴さん。
○櫻井
「現在どんなフェーズに
移っていますか?」

○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「覚書が事実上なくなって、
イランに対してもう一度
(交渉の)テーブルにつかせるために
軍事作戦を行って圧力を
高めているという段階になっている」
連日続くイランへの攻撃。
こうしたなか、16日には
橋などが攻撃をうけました。
○櫻井
「軍事インフラだけではなくて、
例えば橋や鉄道など、
市民生活に影響があるようなものも、
狙われていると思いますが」

○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「二つ分けて考えた方がいいと思う。
橋とか道路の付近の重要点を
攻撃している部分があるが、
いわゆるペルシャ湾岸沿いに設置されている
イランの軍事基地、革命防衛隊の補給路を
叩くために橋とかを攻撃している。
もう一つがいま、
逆封鎖という形で
イラン側の海上封鎖を
アメリカが逆に封鎖している。
経済制裁していると。
これに連係してインフラを
たたくことによって、
イランの経済的にさらに
追い詰めて(交渉の)テーブルに
つかせようと」
さらに初めて投入されたのが
海洋ドローン。
○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「兵士が傷つく、亡くなる。
万が一捕虜になったら
大変なことになりますから
救出しないといけないと。
こういう状況の中で
有人の戦闘機・戦闘爆撃機を奥深く
突っ込んでいくっていうのは、
やっぱりリスクがありますよね」
○櫻井
「作戦が長期化してきて
ミサイル・弾丸減ってきたために
別の無人機やドローンで
対応しているという見方もある?」
○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「今の段階で高高度の
弾道ミサイル撃墜用の
ミサイルが200発。
スタンダードミサイルが
100発ほど、
トマホークは1000発。
相当使っているので、
弾薬の在庫が厳しくなると
言われているので、
これに代わるのが
安価で大量に使えるドローンだと思う」
○櫻井
「『安価』というのもポイント?」
○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「アメリカ軍が長期的に
作戦をするとなれば
ドローンに逐次シフトするというのは
合理的な作戦だと思います」
○櫻井
「今後おさまる余地はありますか?」
○元陸上自衛隊中部方面総監
山下裕貴氏
「アメリカの事情にもよりますが、
11月に中間選挙なので
ずるずると戦争をしていても
いいのかという
1つの判断があって、
トランプ大統領が
どう折り合いを付けるか。
イランはイランでアメリカより長く
戦争はできると思うが
経済的な部分もあるので
妥協点が見つかれば、
交渉のテーブルにもう1回
二か国とも戻ってくるのではと思う」
仲介国からはイランに対し、
攻撃を10日間停止する案が
出ているといい、
アメリカ・イランの動向が注目されます。