#241 コメ価格…ようやく値下がりも今後は?
農林水産省が5月12日に発表した
最新のコメの平均価格を見てみますと、
5月4日までの1週間で
5キロあたり4214円と
前の週に比べて19円下がりました。
値下がりは18週ぶりです。

ようやく…と言ったところですが、
これからも下がり続けるのか
専門家を取材しました。

○櫻井
「下がったことは
どのように捉えていますか?」
○宇都宮大学
松平尚也 助教
「ようやく備蓄米の効果が
出始めたのかなと考えています。
5月4日までの平均価格で
十分にまだ備蓄米が
小売りに出回ったわけではないんです。
夏場に不足する
可能性があるということで、
上がり下がりは
まだ出てくると思うのですが
全体としては一服感
価格の落ち着きは
出始めているのではないかなと」
一方で、備蓄米の流通は
いまも遅れているのが現状です。
○櫻井
「遅れている理由は
どういうことが考えられますか?」
○宇都宮大学
松平尚也 助教
「卸で、精米とか袋詰めなど
一定の時間はかかっているんですが、
夏場に不足する在庫の確保や
取引先との出荷のスケジュールを
優先せざるをえない状況です」
○藤井
私、比較的いろんなスーパーに
買い物に行くんですけど、
なかなか「これが備蓄米だな」という
お米を見たことがないんですよね。
夏場に不足する可能性もあるということで、
備蓄米の放出を
継続していかないといけない
状況なんですかね。
○櫻井
政府は新たな対策として、
備蓄米入札の参加条件の緩和を
検討しているといいます。

そもそも今は、
①玄米を年間5000トン以上
仕入れている大手集荷業者で
②原則、受け渡しから1年以内に政府が
買い戻すことが条件になっています。
たとえば備蓄米を10万トン入札したら、
同じ10万トンを1年以内に
政府に戻さないといけない。
○藤井
これ大変ですよね。
○櫻井
そうなんですよね。
価格が落ちついているかも
わからないなかで、
「本当にできるのか」と
指摘もされてきましたが、
この緩和を検討しているといいます。
ただ松平さんは、
さらに強い対策をとらないと
解決しないといいます。

○櫻井
「参加条件を緩めると
政府は検討しています。
この効果は見られるものですか?」
○宇都宮大学
松平尚也 助教
「入札の参加を見送った業者の理由としては
買い戻し条件が大きく影響した
と聞いています。
次回の備蓄米の放出においては
買い戻し条件自体をなくすとか
根本的なルールの変更がないと
見直しにはならないかなと思います」
○櫻井
「買い戻し条件は
ハードルが高いものなんですか?」

○宇都宮大学
松平尚也 助教
「入札したものと同じ量を
確保しなければいけない。
一番これまでお米集めてきた
農協ですら
なかなか米を集められない
状況になっていますので、
かなり大きなハードルなんですね」
「備蓄米のルールの見直しは
非常に重要な対策に
なってきていると思います」

○櫻井
「今後の見立てとしてはどうですか?」
○宇都宮大学
松平尚也 助教
「もし(備蓄米が)
出回ればの条件付きですが、
6割7割、放出した備蓄米が
出回ってくると
3000円台(後半)に
6月くらいに下がってくるんじゃないか」
○櫻井
備蓄米の流通が進むのか
注目していきたいと思います。