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#194 地震から1週間…被災者の「心のケア」

2024.01.08

重要になっていくのが
被災された方の「心のケア」です。
熊本地震でサポートにあたった
     医師に話を聞きました。

○櫻井
「地震が起きてから1週間、
 被災者の皆さんの心の状態を
 どう感じていますか?」


○熊本地震で心のケアを行った
玉名病院
矢田部 裕介 医師
「(大きな災害の)直後には、
 『ぼう然自失期』と呼ばれ
 文字通りショックを受けて、
 ぼう然自失となったり混乱したりする
 ただ強い不安が出たり、
 眠れなかったりとかというのは、
 病気の症状ではなくて
 あくまでも異常な事態に対する正常な反応
 被災された方においては
 そういう反応が起こっても
 おかしくないということを
 頭に置いておいていただきたい」

矢田部医師によりますと、
  不眠などの症状が出ることを
「急性ストレス反応」と
        呼ぶそうですが、
ここで大事なのは
専門的なケアよりもまず
「現実的な問題に対処すること」。
つまり
「水がないなら水を届ける」など
丁寧に環境を整えることが
この時期の一番の
  心のケアになるということです。

ただ、ショックが強すぎて
つらさに耐えられないと、
感情を「マヒ」させてしまい、
喜怒哀楽を表現できなくなることがあり、
放っておくと心の回復が
    長引いてしまうそうです。
自分で気がつくのは
      なかなか難しいため、
周囲の知人が
  普段との違いに気がついたら、
心のケアの専門家につなぐことが
  重要になってくるといいます。

そしてもうひとつ大切なのが
    「子供の心のケア」です。
震災を経験した子供が
「ごっこ」遊びをすることがある、
    というのですが、例えば。

①東日本大震災の際には
ブロックで建物を作って
「津波が来た」といって壊す
「津波ごっこ」。

②熊本地震の際には
「緊急地震速報」の音を
 声でまねる「地震ごっこ」
といった遊びがみられたそうです。
これ、見かけても
 止めないでほしいといいます。

○熊本地震で心のケアを行った
玉名病院
矢田部 裕介 医師
「子供さんからしてみると、
 そういうごっこ遊びを通して、
 地震の恐怖体験なんかを
 消化しようとしているという
 心が回復していくのに
 すごく大切なことなので、
 もし災害ごっこ遊びをする
 お子さんがいたとしても、
 注意したりやめさせたりせずに
 できれば見守っていただきたい」


もし可能であれば、
大人も「ごっこ遊び」に加わって、
「避難したから大丈夫だったね」
などと前向きな結末に
誘導してあげてほしいということです。

また被災された方の中には、
「私よりもほかにもっと辛い人がいる」と考え、
声を出せない方もいらっしゃると思います。
矢田部医師は、支援やケアが
押し付けになってはいけないので、
「また来ますので、話を
 聞かせてもらっていいですか」
と次に会う約束をすることが
ケアにつながると話していました。

そして、私たちが被災地のために
いまできること。

まずボランティアについて、
石川県は
個別の訪問は控えてほしいと
       呼びかけていて、

災害ボランティアの情報を
発信する特設サイトを開設しています。
事前に登録すると、
ボランティアが必要になったら、
       メールが届くので、
活動したい方は
   まずは登録してください。

また、被災地への寄付は
石川県のほか、日本赤十字社、
ジャパン・プラットフォーム
    などで受け付けています。
ふるさと納税の仲介サイトでも、
被災自治体を支援する
 特設ページが開設されています。

悪意ある偽情報には
  くれぐれも注意してください。

被災された方の心のケアは、
今後さらに必要になっていきます。
どうか、いまできる範囲で、
自分自身や、周りの方の心を
いたわっていただければと思います。

 

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