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#043 抗原検査とは?

2020.05.11

新型コロナウイルスに感染しているか、
より素早く知ることができる検査が始まります。
それが「抗原検査」です。
厚生労働省は5月13日にも国内で初めて
「検査キット」を承認する方針です。
では「抗原」検査とはどんなものなのでしょうか?

新型コロナの抗原検査は基本的にインフルエンザの
迅速検査と同じ仕組みです。
綿棒で鼻の奥の粘液を取り試薬と混ぜて検査キットに垂らします。
2本の棒が現れたら「陽性」
早ければ15分でその場で結果が出る、
この手軽さとスピードが最大の特徴です。

新型コロナウイルスの検査には
「PCR」「抗原」「抗体」とあってややこしいですが…

まず「過去」に新型コロナに感染していたかどうか、
それを調べるのが「抗体」検査。
ウイルスと戦った「痕跡」を調べます。
たとえば、ある地域で人口のどれくらいが
新型コロナにかかったかという大規模な調査などに使われる見込みです。

これに対して「いま」体内にウイルスがいるかどうか
それを調べるのが、「PCR」と「抗原」検査です。
ただちょっと違いがありまして、「PCR」検査は
ウイルスから遺伝子を取り出して増幅させ、
特別な機械にかけるため、早くても数時間かかります。

一方、「抗原」は表面にあるそのウイルス特有の
タンパク質=抗原をとらえる
つまり、ウイルスそのものを検出するため、とにかく速い。

ただし、弱点もあってウイルスの量がある程度ないと
検出できないためPCRに比べると精度は低いんです。
陽性なのに陰性と出ることもあります。

そこで、まず「抗原」検査をやってみて、
もし「陽性」だったら感染者として隔離などの対応に。
もし「陰性」だったら、精度の高い「PCR」にかけて
陽性か陰性か、確定検査を行うという方法が検討されています。
厚労省はPCRよりも検査数を大幅に増やす方針で
抗原検査によって、陽性の人を素早く見つけようとしています。

ただ、インフルエンザの検査のように
どこのクリニックでもできるというわけではなく
まずは、医師が必要と判断した場合に
新型コロナ専門の外来や検査センターで行うこと。
新型コロナ以外で病院に来る入院患者や救急の患者などを
その場で検査することで、院内感染を防ぐために使われる見込みです。

ずっと限界があると言われてきた検査ですが、
抗原検査の活用で必要な人に行き届くことが期待されています。

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