#182 処理水放出から1か月 広がる支援
処理水放出から1か月。
水産事業者への支援が広がっています。
きょう福島県庁の前で
行列ができていたのはキッチンカー。
常磐もののカツオを使った
竜田揚げ丼などを提供していて、
福島県産の水産物の
PRを行っていました。
○購入者
「水産物が全体的に
大変なことになっていると
伺っているので、
その応援のためという
気持ちも込めて買った」
このように
食べて応援しようという動き、
全国で広がっています。
たとえば「ふるさと納税」。
「水産事業者からのSOS」
「ピンチに負けない」
仲介サイトの運営各社は、
こういった見出しで
水産事業者を応援する特集ページを
9月になって相次ぎ開設しました。
すると水産物を返礼品とした寄付が急増。
たとえば「ふるなび」では
寄付金額が、2022年の同じ時期と比べて
およそ5倍になったといいます。
特に人気なのは、
中国への輸出減少に直面している
北海道産などの「ホタテ」で
寄付は15倍にもなっている
ということです。
さらに、支援はSNSでも。
たとえば、こちらの投稿。
ホタテやえびがのった
海鮮丼の写真とともに
「#食べるぜニッポン」という
文字が書かれています。
こちらは、
しらすやいくらと一緒に
ハッシュタグが。
実は、農林水産省が
水産物の消費拡大を狙って
「#食べるぜニッポン」をつけて
投稿してほしいと呼びかけ。
広がりを見せているんです。
福島県によりますと
これまでのところ
福島県産の水産物の価格は
「おおむね例年通り」で
価格に関しては
「風評の影響はない」といいます。
また海水のトリチウム濃度も、
これまでのところ
異常な値は確認されていません。
国内消費は、
今のところ順調に見えますが
いま問題は海外への輸出です。
8月の中国向けの
水産物を含む食料品輸出は、
2022年の同じ時期と比べて
41.2%も減少。
日本政府も
1000億円あまりの支援を
実施していく考えですが
実はいま、アメリカが
日本産のホタテの
「輸出支援」を始めたことが
新たにわかりました。
日本でとれたホタテは、
アメリカに輸出する際、
一度、中国で加工される
ケースがあります。
ただ中国の輸入停止措置をうけて、
このルートがストップ。
そこで在日アメリカ大使館が、
アメリカ認定のタイやベトナム、
台湾などの加工施設の情報を
水産業者に提供。
中国に依存しない
新たな流通ルートの開拓を
支援しているというんです。
早ければ9月末にも始まる
2回目の海洋放出。
日本の水産業を守るため、
いま私たちにできる支援を
続けていきたいです。