#180 「深夜の地震 今すぐ備えを」
モロッコの大地震、
発生時刻が夜だったことが
被害が拡大した理由の一つと
みられていますが、
私たちにとっても他人事ではありません。

2016年の熊本地震では
2度目の震度7を観測したのは
午前1時半ごろ。
夜中の公園には
避難した人たちが
集まる様子もみられました。

この20年間で、
大きな揺れで家具が倒れるなどする
震度5弱以上の地震が
どの時間帯に起きたのかグラフにしました。
すると、もっとも多かったのは
午後11時台で22回。
ただ、専門家に聞くと、
これは“偶然”だそうで、
深夜も含めて、まんべんなく
大きな地震が起きていることがわかります。

なぜ夜の地震は被害が拡大しやすいのか。
地震防災に詳しい
愛知工業大学・横田崇教授によりますと、
夜だと寝ているので、
何が起きたかわからないまま
家具の下敷きになって
身動きがとれなくなってしまう。
また、辺りが暗いので
避難に手間取ってしまうことも
被害が拡大する要因だといいます。

南海トラフ巨大地震の被害想定では、
「夏の昼」「冬の夕方」に比べて、
「冬の夜」に起きた場合が
最も死者数が多いとされています。
これは、寝ている人が多く、
暗くて避難がしにくいなかで、
主に、津波からの避難が
遅れるためだといいます。

あらためて気をつけたいことがこちらです。
①寝ているそばにはなるべく家具を置かない
もしベッドのそばにタンスなど
大きな家具がある場合は
倒れてこないようにしっかり固定
②ガラスで足を切ることがあるので
素足で歩かない
寝室にスリッパや
室内履きの靴を置いておく
③停電も想定して懐中電灯も用意
④ドアの近くや廊下など
避難経路となる場所には物を置かない
⑤人感センサー式のライトなど
足元を照らす電池式の明かりを用意

ところが、この
「家具や家電などを固定する対策」、
去年の内閣府の調査では
実際にやっている人は、36%程度。
なぜやっていないのか聞くと、
「やろうと思ってはいるけど
先延ばしにしている」
「面倒だから」という理由が
多かったということです。
南海トラフ巨大地震や首都直下地震は
このあとに起きてもおかしくありません。
「できることはいまのうちに」を
心がけましょう。