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#121 "悪い円安” どこまで進む…?

2022.04.18

「今年こそは海外旅行を」と考えている人も多いと思いますが、気になるのがこちらです。

「1ドル=126円台」

実はいま、「20年ぶりの円安水準」となっているんです。

上に行けばいくほど円高、下に行けばいくほど円安というグラフを作ってみました。

2月までは115円ほどでしたが、そこから一気に円安が進み、126円台となっています。

たとえば、ハワイ旅行で10ドルのシャツを買った場合、「1ドル=115円」であれば1150円。
これが円安になり「1ドル=126円」だと1260円で1割ほど高くなり、
海外での買い物はお得ではありません。

今後、円安はさらに進むのか?


  
2人の経済の専門家に聞いたところ、
市川さんは今後、128円、酒井さんは130円台まで円安が進む可能性があると話していました。

その背景にあるのは、「日本とアメリカの金利差」です。

いま日本銀行は、街中にお金を回そうと金融緩和を続けていて、
金利を限りなく低く抑えています。

一方のアメリカはその逆、先月から利上げ、つまり金利を上げています。

この場合、ドルを持っていた方が高い金利がつく分、お得なので
円が売られてドルが買われ「円安ドル高」になっています。

しかも日銀の黒田総裁が先週、「強力な金融緩和を粘り強く続ける」と発言。
つまり日本の金利が低いまま続くと受け止められ急速に円安になっているんです。

そしていまの円安、“悪い円安”とも指摘されています。

こんな悪循環が予想されているんです。

企業は円安だと原材料の輸入コストが上がるうえ、
原油などエネルギー価格の高騰もダブルパンチとなり値上げせざるを得ない企業もでてくるんです。
 
その値上げ、小麦や牛肉などの食料品だけでなくて
先ほどの酒井さんは今後、衣服やスマートフォンなどの値上げも考えられると予測しています。

賃金が上がっていないのにモノの値段が上がれば
消費者は買い控えてしまうという悪循環が心配されます。

円安にはメリットもありますがデメリットが上回ることから“悪い円安”といわれているんです。

専門家は、日銀がすぐに金融緩和をやめることは現実的ではなく、
円安に歯止めをかけるのは難しいと話しています。

 

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