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#070 変異ウイルスファクトチェック

2021.02.01

きょうクラスターからの新たな広がりも判明し、
「市中感染」が心配されているのが「変異ウイルス」です。
おとといまでに、埼玉県では同じ職場内とその関係者、
20代から60代までの男女7人が感染。
国内で初めての「変異ウイルスのクラスター」と見られています。
さらに、きょうになって、新たに家族2人の感染も判明しました。

いま、この変異ウイルスに関して様々な「うわさ」が飛び交っています。
きょうは、正しいのか間違っているのか、
公表されている情報をもとにファクトチェックしてみたいと思います。
まずはこちらの「うわさ」

「変異ウイルスは毒性が弱いが、感染力は高くなっている」

「毒性が弱い」は「×」で、
「感染力が高く」は「○」になります。詳しく説明します。

そもそも、ウイルスは小さな変異をしょっちゅう繰り返していますが、
注意しなければならないのが「感染力」や「毒性」が強くなった場合です。

国立感染症研究所によると、これまでに日本では注意すべき3つの変異ウイルス
「イギリス型」「南アフリカ型」「ブラジル型」が見つかっていて…
イギリス型はいま日本で流行しているモノより
「5割から7割」感染しやすいという報告があります。
3つのウイルス、いずれも「感染力」の高まりが心配されていることは間違いありません。

一方、「毒性が弱い」といううわさは「×」です。
というのも「イギリス型」
まだ、さらなる研究が必要な段階ですが、
「1・3倍程度、死亡リスクの上昇」と関連している可能性が指摘されているんです。

残りの2つは「より重篤な症状を引き起こす証拠はない」
とされていますが、少なくとも毒性が弱いとは言い切れません。

次のうわさを見てみましょう。

「変異ウイルスはワクチンが効かない」

これは、最新情報では「×」と言えそうです。
日本でも今月下旬からの接種を目指している
「ファイザー」のワクチンは、イギリス型、南アフリカ型、
どちらにも「効果あり」とファイザー社から発表がありました。
そして「モデルナ」もワクチンはどちらにも「効果あり」と発表。
ただし、南アフリカ型についてはウイルスをやっつける「抗体」の値が
減少したということで、「改良型」の開発に取り組むということです。
そして、こちらのうわさ。

「変異ウイルスは市中感染している」
これは…難しいんですが「△」
変異ウイルスの場合、「市中感染」とは、
海外への「渡航歴」も海外から来た人との「接触歴」もなく、
市中、つまり国内のどこかで感染したという意味ですが、
きのうまでに「15人」見つかっています。

一方で、厚生労働省は市中感染に「面的な広がりはない」としています。

たとえば、東京都ではこれまで「およそ1700人分」の
ウイルス遺伝子を調べましたが変異ウイルスが見つかったのは「2人」だけ。

ポツポツと点では見つかっていますが、
面のように広がっている証拠は今のところないということです。

ただ、先ほどお伝えした国内初めての変異ウイルスの
「職場内クラスター」、7人が感染したと見られています。
今後、市中感染が広まらないと言い切ることはできません。
国も監視を強めていますが、変異ウイルスが広まらないようにするためにも
今こそ、気を緩めずにいきましょう。

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