#034 秘密に包まれた儀式“大嘗祭”とは?
11月14日から15日の未明にかけ、
即位に関する儀式は最後の山場を迎えます。
そこで、今夜のプライチはこちら。
「秘密に包まれた儀式“大嘗祭”とは?」

こちらは前回、平成2年(1990年)に行われた「大嘗祭」の様子です。
起源はおよそ1300年前にさかのぼるとされている「大嘗祭」
途中、中断もありましたが
歴代天皇が即位にあたり一代に一度だけ行ってきた
最も重要とされる宮中祭祀です。

その大嘗祭が行われる場所なんですが
11月10日パレードで両陛下が出発された皇居正門から
800メートルほど北にある「皇居東御苑」
この場所に大嘗祭のためだけにあるものが作られました。
〇日本テレビ宮内庁担当 笛吹雅子
「一般に開放されていて普段はピクニックしている人たちがいるような場所」
〇櫻井
「へー広大な芝生ですもんね」
4月には何もなかったこの場所。7月の終わりに工事が始まり

急ピッチで建設が進められ

10月末に建物の大部分が完成したのが「大嘗宮」です。
11月14日、ここで大嘗祭の中心となる
「大嘗宮の儀」が行われます。
実際に何が行われるかは陛下と儀式を手伝う女官しか
見ることができませんが
その中身は、ある程度明らかにされています。
当日、午後6時半ごろから、
陛下は儀式が行われる建物の最も奥の部屋に入られます。

そこで、天皇の祖先とされる天照大神と神々に
「神饌」と呼ばれる供え物を捧げます。
供えるのは「米」「粟」の穀物、「いか」「あわび」といった海産物
乾物や果物などとされていて、
これを陛下が箸を使って1つ1つ皿に並べられます。
その後、「御告文」と呼ばれる神々への誓いの言葉を述べ
そして、「直会」といって陛下自ら米や粟を食べ、お酒を飲まれます。

日をまたいでとなりの建物でも同様の儀式が行われ、すべてが終わるのは明け方になります。

この大嘗祭を行う意義としては天皇が神々に対して
国や国民の安寧と五穀豊穣を感謝する
そして、かつて日本では飢饉が多くあったことから、
食料がいきわたり、自然災害が起きないように
祈るという意味合いもあります。

一方で今回、大嘗祭に計上されている予算は
およそ27億円で、これは国の費用で行われます。
陛下の弟である秋篠宮さまは2018年、
憲法に定められている「政教分離」との関係から
「宗教色が強いものを国費でまかなうべきではない」と述べられ
大嘗祭は「内廷会計」、天皇家のプライベートな費用でまかなうべき
という考えを示されています。

11月14日、皇室は非常に重要な日を迎えます。
ちなみに、こちらの大嘗宮。
11月21日から12月8日まで一般公開も行われます。