#147 “異例” カタールワールドカップ開幕

こちら、カタールワールドカップの
パブリックビューイング会場で売られていたビールです。
1杯500mlで50カタール・リヤル
日本円でおよそ2000円でした。
こうしたビール、
本当はスタジアムでも飲めるはずだったんですが、
開幕の2日前になって“急きょNG”に。

すると開幕戦でさっそくエクアドルのサポーターから
「ビールがほしい!ビールがほしい!」と
コールが起きたと伝えられています。

そもそも厳格なイスラムの国であるカタールでは
公共の場での飲酒が禁止されています。
それでも大会中は特例でOKかと思われたんですが、
一転して指定されたパブリックビューイング会場などでの
販売に限られることに。
カタールのロイヤルファミリーから
圧力からあったためとも伝えられているんですが

FIFAの会長は
「1日のうち3時間ビールを飲むことができなくても、
生きていけるだろう」と話し
たいした問題ではないとしています。
文化や習慣が大きく異なるカタール。
現地で観戦する際には
「写真撮影」にも注意が必要なんです。

在カタール日本大使館が現地でこうしたものを
勝手に撮影してはいけないと注意を呼びかけているんですが、
軍事施設、空港、建設現場といった場所、
また軍や警察の関係者、
さらには女性も無許可で撮影しないように
注意してほしいというんです。
カタールでは写真を撮影されることについて
保守的な人が多く、特に女性の場合は
必ず許可を求めてくださいと呼びかけています。
「撮影禁止対象の付近でカメラを構えているだけでも、
身柄拘束やデータの消去を強要される可能性がある」
として、特にユーチューバーに注意を促しています。

そしてこちら、
イングランド代表のキャプテン
ハリー・ケイン選手。
腕にはレインボーマークのついた腕章が。
これは反差別や多様性を象徴する
「One Love」の腕章。
当初、ドイツやオランダなど複数のチームのキャプテンが
これを着用して試合に出るとしていました。

というのもカタールは同性愛を法律で禁じていて
国際人権団体ヒューマン・ライツ・ウォッチによると
カタールではLGBTの人たちが当局に逮捕・拘束され
顔を殴られたり髪の毛を剃られるなど
不当な扱いを受けていると報告しています。

こうしたことに腕章で抗議する考えを示したんですが…
FIFAから規定違反で制裁を科すと伝えられたため
イングランドのケイン選手は
差別に抗議する“別の腕章”をつけ、
チームも「片膝をつくポーズ」でアピールしました。