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#143 ヒラメ800匹 原発で飼育

2022.10.17

今夜は、
「ヒラメ約800匹福島第一原発で飼育」

2022年10月17日
メディアに公開された水槽です。 
今、福島第一原発内で
ヒラメ約800匹を育て、
試験を行っています。

水槽は2種類あり、
青色は通常の海水
黄色は海水に
原発の処理水を加えたもの。
取り違えを防ぐために
色分けしているといいます。

ヒラメの飼育様子は
ライブカメラの映像をYouTubeで配信。
twitterでも飼育日誌が更新され、
私たちも普段から見ることができます。

ではなぜ処理水を使って
飼育試験を始めたのか。

そもそも福島第一原発から出た
処理水などは
10月6日時点で約130万トン。
貯蔵できるタンクの
96%にまでなっています。

そこで2023年の春ごろに
この処理水を薄めて
海に放出する方針が決まっていますが

この処理水には
機械にかけても取り除けない
「トリチウム」という放射性物質が
含まれています。

この物質はそもそも、
原発を運転すると出るもので、
海外では、これまでも、そして今も、
海や川などに排出していて、
それによって「人体に影響が出た」
という報告はありません。

ただ、
福島のケースで海洋放出されることに
「本当に大丈夫なのか」
という声もあります。

そこで実際、
処理水で生物を飼育して安全か
確かめようというのが今回の試みです。

東京電力は海に処理水を放出する時は
トリチウム濃度を国の環境基準の
40分の1未満に薄めるとしていて
今回の飼育試験でも
同様の濃度にしています。 

また、
福島県の近海でとれる
という理由などから
ヒラメを飼育しているそうで、
今後はアワビやアオサも育てながら
処理水による影響がないことを
確認したいとしています。

今回の飼育試験での
大きな狙いは風評被害の払拭。

東京電力の担当者は
「まずは興味をもってもらうことが大切
目でみて分かるように説明したい」
と話しています。

一方、漁業関係者は
「処理水の海洋放出は反対」とした上で、
この試験については
「安全性の証明としてしっかりやってほしい
 ただ、風評被害を完全に払拭するのは
 厳しいだろう」
「結果によって
 新たな風評被害が
 起きないよう
 丁寧な発表をしてほしい」
と話していました。

東京電力は飼育試験の結果を
2023年3月に公表する予定です。

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