#163 “チャット型AI”大学も対応へ
進化が止まらない人工知能=AI、
学校の授業に、
どんな影響を及ぼすんでしょうか?
“チャット型AI”大学が続々と対応
4月10日、総理官邸を訪れ、
岸田首相との面会を行ったのは、
オープンAIのアルトマンCEO。
質問すると、
自動的に会話調の文章で返してくれる
「チャットGPT」を
開発した企業のトップです。
首相からはチャットGPTの
「課題やリスク」について
プライバシーや著作権などの
質問をした上で、
「国際的なルール作り」への
協力を要請しました。
CEOは「ルール作りに協力したい」
と応じたということです。
首相周辺によると、
「日本だけが使わずにいたら、完全に
取り返しがつかなくなってしまう」
という強い危機感があり、
きょうの面会が実現したといいます。
このチャットGPTに限らず、
急速に進化する
「チャット型AI」に対して
日本の各大学が次々と対応を
打ち出しました。
たとえば…
・東京大学は
「大学の活動にも大きな影響」
・東北大学は
「完全に禁止することは困難」
などと表現しています。
では、どう対応するのか?
具体的に見てみますと。
まずは「東京大学」
学内向けのサイトに今月3日、
副学長の名前で見解を公表しました。
レポートなどについては、
学生本人が作成することが前提で
「生成系AIのみを用いて
これらを作成することはできません」
としています。
ただし、
「有害な存在として利用禁止する
だけでは問題は解決しません」
単にすべてを禁止するのではなく、
大学教育にも良い形で
活用する必要があると考えている、
ということです。
また、東北大学も
公式サイトに「留意事項」を掲載。
AIをレポートなどの解答に
そのまま利用することは
「自身の勉強にならない」
と注意を呼びかけていますが、
「学生が少し修正して
提出してきた場合、
見抜くことは難しい」
「利用を完全に排除することは
現実的ではない」
とも言っていて、教員側に対して
「レポートを自分の言葉で
説明させた上で採点する」
などのアイデアを示しています。
大学教育に詳しい
筑波大学の金子元久特命教授も
「むしろチャットGPTに
レポートを書かせてみて、
学生にはその間違いなどを
考えて指摘してもらう、
教授がそれにコメントする」
といった活用もあるのではないか。
AIを使いながら
「よりよい授業にしていく」ことは
できると話しています。
チャットGPTの登場が
学生も教員も、
「学び」を考え直すきっかけに
なるのかもしれません。