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#170 「エルニーニョ現象」で複雑な夏に?

2023.06.12

オレンジ色に染まった
ニューヨークの空。
6月7日、ニューヨークは
「世界最悪レベル」の
深刻な大気汚染に見舞われ、
航空便に欠航が出たほか、
メジャーリーグの試合も中止に。

その原因は、
実に数百キロ以上も離れた
カナダの「大規模な森林火災」で、
現在も燃え続けているとみられます。

日本にも5月6月に
台風が接近するなど
「異常気象」が心配されています。
そんな中、気象庁が発表したのがこちら。

『エルニーニョ現象が
 発生しているとみられる』

世界各地で
異常気象を引き起こす要因となる
「エルニーニョ現象」。
夏は8年ぶりの発生となります。
これにより日本は
「梅雨が長引く」「複雑な夏」に
なるかもしれない、というんです。

エルニーニョ現象の
「エル・ニーニョ」とは
スペイン語で「男の子」
それも普通の男の子ではなく
「神の子・キリスト」を意味します。

エルニーニョ現象とは
日本から遠く離れた
南米ペルー沖の海面水温が
普段よりも「高く」なる現象です。
南米の水温が高くなると
シーソーのように
日本に近いインドネシア沖の
水温は「低く」なります。

この現象によって日本付近では、
真夏の高気圧である
「太平洋高気圧」の働きが弱まり
「梅雨前線」が居座る、
そのため「梅雨が長くなりやすい」
と言われているんです。

さらに、こちらは
1993年の日本の写真ですが、
「米一粒を大切に」と書かれています。
日照不足などが原因で深刻な米不足となり
「平成の米騒動」が起きた年なんですが…
夏にエルニーニョ現象が起きると、
「冷夏」になりやすいとされているんです。

では、今年は梅雨が長引き
冷夏になるのかというと、そこが複雑で

実は、冬までは
「ラニーニャ現象」が起きていました。
「ラ・ニーニャ」は
エルニーニョとは逆の現象で、
スペイン語で「女の子」を意味します。

ちなみに、冬にラニーニャ現象で、
その年の夏に一転、
エルニーニョ現象が起きるのは
実に47年ぶりなんです。

ラニーニャ現象は
エルニーニョとは逆に、
南米沖の海面水温が「低く」
インドネシア沖は「高く」なります。
日本では「猛暑」に
なりやすくなる傾向があるんです。

まだ日本は冬まで続いた
ラニーニャ現象の影響が残っているため、
気象庁はこの夏、
東日本や西日本の気温は
「平年並み」か「高い」という
予想をしています。

ただ、その後は秋から冬にかけて
いま発生している
エルニーニョ現象がピークを迎えるため、
冬のエルニーニョの特徴である
「暖冬」になる可能性もあります。

つまり、梅雨は長引いて、
夏は暑く、冬は暖冬…
ということもあり得そうなんです。


エルニーニョもラニーニャも
異常気象が起こりやすい
現象として発表されていますので、
今年は一段と防災意識を
高めていきたいと思います。

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