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#071 コロナワクチンファクトチェック

2021.02.08

日本でもワクチン承認に向けた大きな山場を迎えます。

今月12日に厚生労働省で行われる部会での審議を経て
15日にもファイザー社のワクチンが正式に承認される見通しです。

ワクチンをめぐって様々な「うわさ」が飛び交っていますが
それは正しいのか?間違っているのか?
公表されている情報や専門家への取材をもとに
ファクトチェックをしてみたいと思います。

まずはこちらの「うわさ」
「ワクチンは重症化を防ぐだけだ」

これは【 × 】。

ワクチンを接種することで重症化を防ぐほかに
発症、つまり症状が出るのを防ぐ効果が期待されます。
臨床試験の結果、ファイザーで95%、モデルナで94.5%、
アストラゼネカで82.4%の有効性を示したということです。

ただ、ワクチンに詳しい
医薬基盤・健康・栄養研究所 保富センター長によりますと
そもそもその前の段階ウイルスに感染しない効果があるかについては
まだ分かっていないということです。

次に、こちら。
「コロナワクチンの注射はインフルエンザワクチンの注射より痛い」

これは【 △ 】。

私たちが毎年受けるインフルエンザの注射と違って
コロナワクチンは筋肉に刺す注射なんですがこれは人によって痛いという人もいれば
そんなに変わらないという人もいます。

ただ、長崎大学病院の森内教授によると
実は2回接種するうち、2回目のあとのほうが翌日などに
痛みや腫れが出る可能性が高いと言うんです。
この痛みや腫れというのは
コロナに対する免疫を作る準備を体がしている証拠で
2回目のあとに強く表れるといいます。

そして気になる「副反応」について。
重篤なアレルギー反応である
「アナフィラキシー反応が起こる確率はインフルエンザワクチンよりも高い」

これは【 ○ 】

アメリカの場合、インフルエンザワクチンでは100万人あたり1.3人。

一方、初期段階のデータですが
ファイザーのコロナワクチンで11.1人。
モデルナのワクチンで2.5人でした。

それでも先ほどの森内教授は「極めて低い数字」だと話しています。
ただ、過去にアレルギー反応が出た人は注意が必要です。

最後はこちら。
「世界ではワクチン“争奪戦”が起きていて日本に入ってこない」

世界で争奪戦の様相を呈しているのは【 ○ 】なんですが
「日本に入ってこない」のかというと【 × 】です。

EUではワクチンを輸出する際事前に承認を得るよう義務づけていますが
EU域内からの日本への輸出は“承認された”ということです。

ワクチン第一便として今月14日にも
ベルギーからファイザーのワクチンが届く見通しです。

ただ今後、十分な量が想定していた時期に届くのかは見通せない状況なんです。

ワクチンが届いて接種がはじまったあとも多くのひとに届くのには時間がかかります。

ひとりひとりがしっかり感染対策を続ける必要があることは変わりません。
 

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