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#122 船長の義務「発航前検査」とは?

2022.04.25

北海道・知床の観光船で起きた
事故を防ぐことはできなかったのか?
そのポイントの1つとなる
ルールがあります。




それが「発航前検査」です。

発航…つまり船が出発する前に
安全に運航を行うためにする
「点検」のことで、
法律で船長に義務づけられていて
罰則もあります。




今回の船の場合ですが、
大きく「8つ」の検査が義務づけられています。

④「燃料」などのチェックや
⑦「乗組員」の人数や健康状態も点検しなければなりませんが。

その中でも特に
①船体、機関などの「整備」。

これは、航海に出る前に
「ひび割れ」がないか?とか
「穴」があいていないか?
「エンジン」に異常はないか?
などをチェックする項目です。




今回、事故を起こした
「KAZU Ⅰ」に関して、
別の観光船会社の職員からは
「船の前側が割れていた」
15センチほどの亀裂が入っているのを見た、
という話もあります。

出航前に直していたかどうかはわかっていませんが、
「整備不良」がなかったかどうかは
ポイントになります。

そして、「発航前検査」の中で
もう一つポイントになるのが




運航中に天候や波の高さ、風がどうなるのか?
⑥「気象」などの情報から
 航海に支障がないことを確認する義務です。




気象庁などによると
事故当時の現場海域は
「2から3メートル」の高波、
風速「16メートル以上」で
強風・波浪注意報が出されていました。

別の観光船の船長は
「KAZU Ⅰ」の船長に
「天候がどんどん悪くなるからやめた方がいい」
と出航を止めたと話しています。

こうした状況を「発航前検査」で
きちんと確認していたのか?
そして、出航した判断は正しかったのか?

現在行われている国の特別監査でも、
重要なポイントになります。

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