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#126 「国民皆歯科検診」なぜ浮上?

2022.05.30

歯科検診をめぐって新たな方針が示されます。

こちら、「国民皆歯科検診」
つまりすべての国民が歯科検診を受けることを意味するんですが、
この実現にむけて検討を始めることが、
政府が6月上旬にまとめる
いわゆる「骨太の方針」に明記されていることがわかりました。

現在、歯科検診は1歳半、3歳児、
それから大学を除く学校に通う子どもたちなどに実施が義務づけられています。
40歳から70歳まで10年に1度、
歯周病の検診を行っている自治体もありますが、これは義務ではありません。
こうした検診を拡大しようというのです。

そもそも歯科検診の受診率をみてみますと1年以内に受けた人は2人に1人。
また40歳50歳などが受けられる歯周病の検診は
20人に1人しか受けていないという現状があるんです。

これまでも「生涯にわたって歯科検診を強化すべき」ということは
実は政府の「骨太の方針」には書かれていたんですが、
今年は新たに「国民皆歯科検診」という表現になったんです。

検診を拡大したい背景について厚生労働省の担当者は
「歯周病予防などをすることでほかの病気の予防にもつながる」と話しています。
歯周病は細菌の感染によって引き起こされる疾患で、
歯の周りの歯ぐきや、歯を支える骨などが溶けてしまう病気です。

最悪の場合は歯を抜かなければならなくなります。

この歯周病が、誤嚥性肺炎や糖尿病、心臓病、脳梗塞といったほかの病気や、
早産などにつながる可能性も指摘されているんです。
“万病の元”である歯周病からほかの病気につながるケースを予防できれば、
結果的に全体の医療費を抑制できる可能性もあるといいます。

日本歯科医師会によりますと、こんなデータもあるそうです。
歯が19本以下の人に比べて20本以上ある人のほうが
比較したすべての世代で医療費が少なくすんでいるということです。

たとえば実施方法として
健康診断などのときに唾液をとってまずは歯周病の簡易検査、
必要なら歯科健診を受けるというアイデアもあるそうなんですが、
具体的な方法はまだこれからだということです。

本当に歯科検診がすべての年代で義務化されるかはまだわかりませんが、
歯が大事なのは間違いないのでケアしていきましょう。

 

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