#076 解除後に重要 “2つの検査”
緊急事態宣言が解除されたいま、“2つの検査”が重要になってきます。

それは「モニタリング検査」と「スクリーニング検査」というものです。
まずは、こちら。

週末に埼玉県で行われた「モニタリング検査」。
緊急事態宣言が解除された都府県で実施されているもので首都圏でも始まりました。
この検査の対象は無作為の、“道行く人たち”。
いつ、どこでやるかは事前に公表されないんです。

街で検査キットを受けとった人は持ち帰って自宅で唾液を採取し民間の検査センターに郵送。
すると2日ほどでアプリなどを通じて結果がわかるということです。
もし、“陽性疑い”の結果が出たら医療機関での受診をすすめられます。
参加した人たちからは
「通りすがりだけど無料で検査してくれるのはいい」
「数をたくさんやれば無症状の人もひっかかってくると思う」
といった声が聞かれました。
無料で検査が受けられるサービスのように見えますが
これは政府の感染対策のひとつなんです。

政府分科会の尾身会長は
「無症状者に焦点をあてた検査を定期的に行えば(リバウンドの)予兆が分かる」と話しています。
つまり次の感染拡大の予兆を早めにキャッチして対策につなげるためのものなんです。
政府は1日1万件程度を目標に当面やっていくということです。

これまで栃木県や関西など宣言が解除されたところで
1600件以上の検査が行われ、“陽性疑い”は6件。
この割合が今後増えていくとリバウンドのきざしが出ているということなんです。

そして、もうひとつの検査が「スクリーニング検査」。

これは、陽性者のうち「変異ウイルスかどうか」を調べるものです。
現在、この検査が行われるのは陽性者全体の10%程度にとどまっていますが、
政府は今後40%程度まで引き上げるとしています。

厚生労働省によりますと
検査の割合を引き上げることでより拡大の実態をつかもうということなんですが
陽性者でもウイルス量が一定程度ないとスクリーニング検査はできないんです。
(これが100%にはできない理由の一つです)
ただこの検査は各地の衛生研究所や大学などでしか行われていなかったんですが
様々な機関に協力を依頼して
ようやく40%まで引き上げられるようになったということです。
宣言は解除されましたが、リバウンドや変異ウイルスなど今後も注意が必要です。
改めて一人ひとりが感染対策を徹底することが大切です。