第571回日本テレビ放送番組審議会は、10月からの改編説明を行った後、8月12日に放送された『ダウンタウンvsZ世代』の合評を行いました。
型破りだった昭和時代の暮らし、商品、恋愛、人物を掘り下げ、昭和世代の芸能人たちとZ世代がトークバトルを繰り広げる情報バラエティー番組で、去年8月、今年2月に続く第三弾として放送しました。
(1名リポート)

  • 懐かしい色々な事が出てきて楽しく見た。お盆休みだったので、世代を超えたコミュニケーションを想定して作ったのかと思った。また、若い人にも色々な人がいるので、Z世代とひとくくりにしてしまっていいのかと疑問を感じた。
  • テレビは世代を繋ぐ責任が非常に大きい。この番組はただ面白いだけではなく、国の文化を次世代に繋いで、共通の認識、知識、文化を強化する作用もあると思った。
  • 家族の会話のきっかけになったところは評価したいと思うが、下ネタ系が多いことに違和感があった。
  • “あるあるネタ”を集めて3時間に収めたのは凄いことで、資料映像もピンポイントで見つけて作りこまれていた。また、懐古主義に終わるのではなく、昭和の中から何か失われたものがあるかもしれないという気づきを提示されたのかと思った。
  • テレビが置かれている状況と、広告が置かれている状況が近いと思った。フィクションかノンフィクションかをちゃんと説明しなければ、視聴者が勘違いしてしまうと思った。
  • 今の常識をアップデートしてくれているので、昭和世代にとっても「なるほどな」と思うし、若い世代にとっても面白く見られていたと思った。
  • テロップが慌ただしくうるさいなと感じていたが、台所で何かをしながら見続けることもあるので、テロップを見ることで話題を追えるという利点もあるのかと思った。
  • タイトルから来るバトル感はあまり無かった。Z世代は旧世代に対して、もう少し辛らつだと思うので、もう少し毒のある人がいた方が面白かったのではないかと思った。
  • 24時間テレビの話と、最後の上岡龍太郎さんの話から少し空気が変わって来て、なんとなく少しモヤっとするものがあった。表現が不自由で、面白みが減っていることはあるかもしれないが、個人的には世の中は正しい方に向かっていると思う。
  • 以前と比べて、圧倒的に変わったのは性差別的な表現が無くなっていて、女性たちが安心してテレビを見られるようになってきたこと。昭和というのは、雑さがある時代で、「昭和は良かったね」と言うだけでは終わらないところがあると思う。
  • 今の若い人にとって、テレビは子供の頃からコンプライアンスに従って番組が作られていて、安心して見られるもの。テレビに対するZ世代と昭和世代の感覚の違いが浮き彫りになった気がした。
  • 日本の歴史の中でも長い昭和という時代を、一言で言い過ぎてはいないか?ひとくくりに出来ない時代ではないかと思った。
  • 面白かったのは昭和歌謡。ツッコミどころが実に多くて笑える。これは1つの鉱脈で、これからいくらでもこの路線で作れるのではないかと思った。今後に期待したい。
  • 1日24時間の中でテレビのシェアが減っている感じがするので、SNSに負けない楽しい番組を作って欲しいと思う。
  • 当時の常識が、いかに今の非常識なのかを知ることが出来て、楽しいながらも学びのある構成だったと思う。もう一度、あらゆることに対して、「本当に正しいのか?本質を見抜けているのか?」を考えていかないといけないと思った。
  • 少し出演者が多すぎる気がした。もっとメンバー構成に多様性が有っても良いのではと感じた。

この御意見を受けて、日本テレビ側は次のように答えました。

「この番組では、リサーチであがった100以上のネタを会議にかけ、20代から60代の幅広い年齢層のスタッフの中で、特に盛り上がったものを採用した。紹介する内容がどうしても昭和時代の後半に偏りすぎていた件に関しては、いただいたご意見を参考にしていきたいと思っている。」