《野外での婚礼の踊り》ピーテル・ブリューゲル2世 1610年頃 Private Collection

Special スペシャル

声優・石田彰さんに伺いました!

ブリューゲル展で音声ガイドナビゲーターを務める声優の石田彰さん。展覧会公式HPをご覧の皆様のために、展覧会の見どころ、音声ガイドのおすすめポイントなど伺いました。

「ブリューゲル展」で気になった作品
展覧会が始まる前、出展作品の中で気になるのはピーテル・ブリューゲル1世が下絵を描いた《最後の審判》と話していた石田さん。会場で実際に作品を見た感想は?
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ピーテル・ブリューゲル1世[下絵]、ピーテル・ファン・デル・ヘイデン[彫版]
《最後の審判》
1558年 Private Collection
「事前に資料として頂いていた印刷物はあるのですが、本物を見ると解像度が違った。資料を見て分かったつもりになっていたけれど、実物だから感じる印象もあって、やはり本物を見ると良いなと思いました。細かくいっぱい描きこんであるので、勝手に大型の作品を想像してしまっていたのですが、(実際には)そんなに大きくはなく、サイズ感に対する驚きもあって非常に興味深かったです。」
展覧会で実際の作品を見たところ、《最後の審判》以外にも気になる作品があったそうです。
「どの作品も見ごたえがありましたが、気になったのはヤン・ブリューゲル2世の《平和の寓意》と《戦争の寓意》。空に円弧と天秤のモチーフ、動物らしきものもいて、これは何だろう、と。」
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左:ヤン・ブリューゲル2世《平和の寓意》
右:ヤン・ブリューゲル2世《戦争の寓意》
1640年代 Private Collection, United Kingdom
この2作品の前では、気になる個所をしっかり観察しようと作品の前を何度も行ったり来たりしたそう。
「作品のテーマに関するものかな、と思ったけれど、天秤は公平性を表すモチーフのはずなので、"平和""戦争"というテーマにそぐわない・・・と気になって、あーでもないこーでもないと色々想像した末に図録を読んだら解説が書いてあったのですが(笑)。」

「(一族の祖である)ピーテル1世の作品などは特に、色々なものが描きこまれているので、正解には至らないにしろ素人でもいろいろ想像を膨らませる隙がある。それが(この展覧会を)楽しむポイントの一つ。素人探偵ごっこをやらせてもらえて楽しかったですよ。(笑)」