この日、城島はかねてからの夢を叶えようと動き出した。
2年前、倉庫前の地中から見つけた、すり鉢と丼。
これで、麦とろろご飯の朝食を食べるのが夢だった。
そのために、去年から準備していた自然薯を掘り出すことに。
3か月前、印をつけて置いたツルが、冬になり、地面の下で自然薯が大きくなる頃だった。
場所は以前、自然薯を栽培していた畑。掘り忘れた大物があるかもと期待したが、結果は全長50cm程度だった。
一方、おかずに魚も欲しいと、今の時期、脂が乗ってるカサゴを狙ったが、釣果ゼロ…おかずは味噌汁だけとなった。
麦ご飯は、福島の新男米と、収穫した大麦を混ぜて炊いた、DASH村とDASH島のブレンド。
DASH島の大麦は、皮が硬く、粘り気が少ないため、大麦を平たく加工した押し麦にして、吸水率をUPしやわらかく。
自然薯を擦り下ろしたところに、カメノテの出汁を溶かし、味噌で味付けしたとろろ汁を炊きたての麦ご飯にかければ、開拓12年で辿り着いた、“究極の朝食"となった。 |