これまでのDASH島

甦った“思い出"まな板2017/6/25

憂鬱な梅雨の晴れ間。
5月に主演舞台を終えた男が気にかけていたのは、
松岡「(まな板に)カビが生えてきちゃうんですよね」
東アジア特有の雨季の一種の梅雨。
この時期は空気中の水分が多く、厄介なカビが発生しやすい。
特にまな板は、日々増える小さな傷にカビが繁殖しやすく、そのまま使えば、食中毒にもなりかねない。

このまな板が出来たのは、3年前の舟屋づくり。
床板を張る作業で、階段用に開けた穴の、切れ端をまな板に。
そして、松岡が願いを込めて“思い出"の文字を彫った。
それ以来、島で獲れる魚介や、野菜一つ一つが、開拓の思い出となってきた。

しかし、日々の手入れを怠ってはいないものの、まな板には、この3年間でたくさんの傷と汚れが。
刻まれた沢山の思い出が、カビの原因になりかねない。
こんな時は、まな板の削り直しを。

まな板は、傷やカビの部分さえ削り取れば甦る。
食材に触れる表面を、菌が増えぬうちに、カンナで一気に削りあげる。
手に馴染んだ物を永く使えるのも、木製まな板が愛される所以。
では、島のまな板も。
松岡「よーし、(削って)やってみるか!」

まず、玄翁で叩いて刃の出幅を調整。
しかし、固定していないまな板は、
松岡「動いちゃうな…」
削りの厚さも若干気になるが、
松岡「いいじゃん!キレイになってる!」
ならば、一気に!

メンバーに腹を壊させるわけにはいかない。
3年分の汚れを削り取っていく…と、
松岡「なんか(部品)取れたよ?」
カンナから、何かの金具が外れたが、
松岡「まあ削れてるから(いいか)」

そのまま、隅々まで、残りの汚れにもカンナを。
だが、デコボコな上に、刃の跡も残っている。しかも、
松岡「“思い出"(の文字)が消えちゃった…」
そこへ、作業から戻ってきた棟梁が、
達也「ヤバいね、ガッタガタじゃん」

しかも、さっき外れた金具は、
達也「刃を押さえてるやつ(裏金)が抜けちゃってる」
そして、一番の原因は、
達也「刃が出過ぎだよ!」
確かに、カンナ台から出ている刃先は1mmほど。

見兼ねた達也は、カンナ台を軽く叩き、
達也「こっち(カンナ台)を叩くと刃が抜ける」
カンナはカンナ身(刃)自体を叩けば出て、台頭(だいがしら)と呼ばれる、カンナ台の上を叩くことで、引っ込んでいく。
そして、カンナ身を押さえる裏金を入れ、叩いて固定すれば、刃先の位置が動かない。

達也が調整した刃先はおよそ0.1mm。
この髪の毛1本分にも満たない刃先を押し付け、削っていく。そのためには、
達也「(動かないように)押さえなきゃ無理だよね」
そこで、作業台と余った材で、まな板の固定台を。

そこにまな板を固定し、達也が少しずつ、デコボコを均していくと、次第にカンナが滑り出し、
松岡「削りカスが全然違う(薄い)」
松岡の時は、爪のように厚く短かった削りカスが、薄く長く伸びている。
まな板の表面が平らになってきた証。

松岡の雑な仕事のせいか、多少のデコボコは残っているものの、傷はなくなった。すると、
松岡「“思い出"やめて、もう一回命を吹き込もう!」
そこで、古い“思い出"の文字を削り取り、新たな文字を刻む。

松岡が彫った文字は“松"。
達也「軽く炙ると文字が浮かび上がりそう」
つまり、焼印風に。
元々は、職人が自分の仕事の証に入れたもの。
本来は、焼いた金属のコテを押し当てるが、島では囲炉裏の炭で。
甦った“松"のまな板で、これからも島の思い出を刻んでいく。