雪国の村での栽培はかなり厳しいというが、産地の中でも寒い、狭山で生まれた「むさしかおり」なら望みがあるという。
木に負担をかけずに収穫し始められるのは、早くても3年目というが、村の厳しい気候なら5年目以降が望ましいという。
他にも「ほくめい」という品種を持ち帰り、目指すは5年目の茶摘み。

育てるのに選んだ場所は、水はけ良く、霜も降りにくい最もお茶栽培に向いていそうな露天風呂の裏側、傾斜地の畑。
苗の高さは18cm。
まずは2年間、木としての地力を付けてもらうべく、しっかり管理しなくては。

4年前の4月下旬。
低地にできた霜柱は、斜面の茶畑に降りる気配はなかった。
6月には、わずかに伸び、高さは21pに。
この年、悩まされた10月の集中豪雨にも傾斜地特有の水はけの良さもあり、根腐れを起こす気配もなかった。
城島「いけそうやな、茶畑」
そんな手応え感じ始めた秋のことだった。