そしてこの日を最後に姿は見せず、繁殖開始期限の5月が終わろうとしていた。
この時期に入っていないと、今年のこの巣箱での繁殖は厳しいというが、生息が確認できたということで、少なくとも、里山の環境は悪くはないと言えそう。
今後も目が離せない。

そして5月は、生き物も植物もいよいよ動きを活性化。
そんな季節に、役場裏の畑でも、待望のものがあった。
太一「もうちょいだ」
育てたのは、西暦800年頃、遣唐使などにより、大陸から持ち込まれた熱帯原産のお茶。
煎茶、玉露、ほうじ茶などのお茶の元となるのは全て同じチャノキ。
初摘み手前の段階に至るまでには長い歳月を要していた。

動き出しは、さかのぼる事4年前。
栽培前に訪れた埼玉県入間市の茶業試験場で栽培のノウハウを教わる。
注意すべきなのが、4月5月に起こる、晩霜害。
更に村の気候は、チャノキの栽培適温である年平均気温13℃以上、最低気温-12℃以下には、ギリギリラインオーバーだった。