一方、城島は火薬を包むための、丈夫かつ薄い和紙を求め福岡県八女(やめ)市へ。
八女手漉き和紙は矢部川の豊富な水と質の優れた楮(こうぞ)で、400年以上の歴史を持つ。
最盛期の明治45年には1800件の工房で生産。昭和47年には福岡県無形文化財に指定される。
城島「楮。(DASH)村でも使ったな」
八女の楮は村のものより繊維が長いため、より丈夫な和紙に。
和紙を漉くポイントは薄くのばして表面をつくり、縦横に動かして厚さを決めて、均質に原料を流す。
熟練の技は、さすがムラなく、薄いベールがかったようになる。

村でも経験したことのある城島が漉いた和紙は、余分な水分を切り蒸気で熱した高温のスチール版に乗せて乾燥。
厚さは0.05ミリ。ここで、こんにゃく芋を乾燥させ砕いた粉に、水分を含ませて糊状にした、こんにゃくのりを塗る。
障子紙に塗って丈夫にするなど、強度と耐久性が増す。
薄いままで少しでも強く。線香花火づくりに欠かせない条件。
城島「張りがあるな、全然違う!」
薄さも、強度も納得の仕上がり。

達也は、火薬の原料、松煙を求め、宮崎県の内田松煙へ。
20〜30年寝かせ乾いた赤松が松煙のもと。
その赤松に含まれる松脂(まつやに)が燃え、黒いススとなり、窯口から吸い上げられ、室(むろ)と呼ばれる部屋にたまっていく。
待つこと1時間。煙のおさまった室の中へ。
中は床から天井まで、全てが黒く細かいスス、つまり松煙が付着した状態。
舞い上がらないように、やさしくゆっくりと集め、
達也「(袋に)入るだけ持ち帰りたいな」
汗ばむ体にススが舞い真っ黒の達也、再び職人筒井さんのもとへ…