夏以来となる現場作業、村への立ち入り。
門を開くと村へ続く砂利道、その景色は一変していた。
達也「ほぼ枯れ葉に覆われたね」
落ち葉が埋め尽くす道の胸高1mの空間放射線量率は、毎時約11マイクロシーベルト。前回、8月のときとほぼ同じ空間線量率。
紅葉序盤、まだ枯れ葉の影響は少ないという事なのか?
達也「山はいつも通りに紅葉が進んで、いつものDASH村」
栗や柿など、秋の実りが虚しく進んでいた。
そして今回の第一目的、気になるヒマワリの状態は?

達也「ヒマワリ、花咲いたんですね」
田んぼのヒマワリは、8月に採取したときよりやや生長し、1m程の背丈に。そして花を咲かせた後、種になりかけの状態で朽ち果てていた。
さらにその傍らには、刈り残した稲から、自力で逞しく実った米。
その周辺の空間線量率は、毎時約12マイクロシーベルト。
前回の夏とやはりほとんど変わらない数値。つまり土壌汚染状況は高いまま。
とにかく、この汚染された土から微量でも放射性物質を吸い上げたはずのヒマワリを、回収する作業を開始。

田んぼのヒマワリ約300株を、スタッフ含め13人で抜き採る。
そんな作業中でも見逃さない研究者の視点。
山下先生が田んぼで見つけたのは、茎を地面に這わす様に匍匐(ほふく)させて生えている赤い植物。
田んぼでは普段、生長する前に除草すべき雑草だが、これに似た“イボクサ"という雑草が、放射性セシウムの吸収効果がやや高めという、調査結果もあるという。
JAXAでは現在も様々な植物を対象に除染効果を調査中。
イボクサを含め、まだ充分効果的と言える植物は見つかっていないが、今回見つけた赤い植物も詳しい品種、効果などを調べるため持ち帰る。