長谷川さん「放射性セシウム134は、(現在)ほぼ無い」
それは“半減期"、26年の歳月による現象。
半減期とは、物質の放射線を放つ能力が半分に減るまでの期間。
昨年からDASH村で計測している数値は、放射性セシウム134と137の2種の合算。
それらが放つ放射線(人体への影響度)の比率は、134 が約7割と強く、137が約3割と弱い。
だが逆に半減期は、137の30年と比べ、134は2年と短いため、事故後26年経ったベラルーシでは、検出される放射性セシウムは、ほぼ137のみ。

しかも放射線の減衰は自然環境の様々な影響により、半減期の理屈よりも、実際には早まると言われている。
長谷川さん「放射線は1/10くらいになってるはず」
ただ、ここが高い汚染を経て来た土地であるのは確か。
今そこではどんな農業を行っているのか。
キリル・ゾロチンさんはキュウリ、トマトなど作っている、この地域でも有数の経営農家。
およそ20haもの畑で、40品目を生産出荷。
ゾロチンさん「(作物が)放射線量の安全基準値を超えた事は無い」
それは、ある肥料によるところが大きいと言う。

見せてくれたのは、日本でも売られているカリウムの多い化成肥料。
三大養分の一種であるカリウムは、昨年夏のDASH村でのヒマワリ実験の際にもキーワードとして持ち上がっていた。
実験は、セシウムとカリウムの原子の形状が似ていることに着目、土壌中の放射性セシウムをヒマワリに吸収させられないかというもの。
結果は、土壌には多くのセシウムが残ったため、除染としては失敗だったが、吸うには吸ったという事実を確認。
カリウム肥料施肥の方法は、土壌中のカリウム濃度を高め、その分、植物のセシウム吸収を抑制するという考えの方法。