それらしい土のヒビ割れを見つけたら、専用の“ほり"という道具を深く突き刺し、周りの土を起こしてみる。
松岡「いた!いたぞ!!」
土を掻き分けると顔を出した、白子タケノコ。
粘りのある土、根元から掘り出す。
皮の上からでも分かる、上質な中身の柔らかさ。
採れたてが一番美味いと、これを生で頂く。

黄色い先端が、新鮮なしるし。その味は
松岡「高級なナッツみたい」
さらに、その場でしか楽しめない味わいがもう一つ。
掘り起こさず、タケノコの周りを石で即席のかまどにしたら、囲むように炭を入れて、そのまま20分、炭焼きにする。
鮮度が落ちやすいタケノコを、これ以上ない新鮮な状態で。
この食べ方を地元では、“地獄焼き"と言う。
ホクホクを名産の白みそで味わう、京都の春を告げる名物1品目。

その頃、雪国の春を求め、城島は去年、米作りでもお世話になった、新潟県南魚沼市。
と、雪の上で何やら布を広げ、作業をしている地元の方々。
それは、奈良時代よりの伝統、“越後上布の雪さらし"。
越後上布は、地元産の麻を糸にして染める、夏用の高級織物。
居坐機(いざりばた)という手織機で丹念に織る工程は、国の重要無形文化財。
麻糸は細く切れやすいため、一反織るのに約3カ月かかる。
冬から春の晴天の日、真水で洗って、雪の上にさらす、800年続く伝統の作業だが、そこには極めて科学的な先人の知恵がある。