「長野 高原野菜と幻のそば」

今回は長野県。    
高原野菜と「幻のそば」と言われる富倉蕎麦を学んだ。
名産地に実際に訪れて学ぶ事で一番のポイントは、その土地の環境を五感で感じられる事。
まず、レタスを学んだ川上村では、明らかに体感気温が違った。真夏にも関わらず、汗っかきの僕ですら汗をあまりかかないくらい。

川上村は、夏に涼しいこの環境を活かし高原野菜を多く栽培している。特にレタスが多いのだけれど、どの農園も大規模。見渡す限り農地が広がる光景は、留学時代に見たアメリカの農地のようだった。よく見れば農機具も日本製の物でなくアメリカなど海外製のものが多かった。さらに、どの畑も畝に白マルチを敷いているので、白く染まった大地が広がる様は、明雄さんも驚いていた。
そして、一番気になったポイントは、収穫方法。こんなにも広大な畑なのに一つ一つ手作業で収穫される。始めは信じられなかったけれど、実際に収穫して納得した。何よりも鮮度が重要なレタスは人の手が一番だった。すごく繊細で少しでも傷ついてしまうと、そこから酸化して品質が悪くなってしまう。




ただこれだけの量を手作業で行うので、とにかく効率がいい。専用の包丁で収穫する人の後ろで、収穫したレタスを洗い流し、さらにその後ろで箱に詰める人がいる。収穫以外にも、手作業で行われる種まきや苗の定植と色々な面で効率的に工夫されていて、村で実践してみたい事も多かった。手作業なのに一日に何万個と出荷するのだ。やっぱり、すごい!!
さらに、今回は「幻のそば」と言われる富倉そばを初めて食べた。この富倉そばは全国でも珍しくオヤマボクチという植物の葉をつなぎとして使っているそば。このオヤマボクチという葉は、村で凍み餅を作った時に使った葉で、明雄さんも小さい頃から馴染みの物らしい。そんな事を知らない僕は、実際にオヤマボクチを見て、その繊維に驚かされた。こんなにも繊維質な葉っぱを今まで見た事もなかった。この繊維のおかげで、普通のそばでは不可能なくらい薄くまで伸ばす事が出来るらしい。少量しか使用していないのに、あの弾力には驚いた。

そして、肝心な富倉そばの味は、これが本当に美味しいのだ。正直、今まで食べたそばの中でも一番美味しいそばの一つだった。オヤマボクチが邪魔をしないので、そばの風味をそのまま充分に味わえる上、とても食べ易いので何杯も食べられる。コシが強く、歯ごたえも楽しめる逸品だった!
地の利を活かし栽培される様々な野菜に食事の数々。村の環境を長野と同じようにする事は出来ないけれど、村でも活かせるものは知識として、しっかりと村に活用していきたいな。

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