「丹波発 里山が育む、栗とマツタケ」

秋と言えば、なんと言っても食欲の秋。村でも、去年の今頃は新男米二米目を筆頭にサツマイモや栗やぶどうなど村では色々と収穫する事が出来た。
今回は、そんな秋の味覚を学びに京都の丹波地域に向かった。まずは、丹波栗。この丹波栗、ただの栗ではなく、村で採れた栗の二倍以上はあるんじゃないかと思うほど、大きな栗だった。表面もつるつるとして、照り輝いていて、本当に綺麗な栗だった。
意識としては、栗は栽培する物ではなく、山の恵みとして自然になっている物だった。手入れも管理もしていなかったせいか、小粒で虫に喰われた物が多かった。

京都では、栗の木を一から栽培・管理し、充実した栗がなりやすい
環境をつくっている。様々な工夫があって、あんなに大きくてきれいな栗が出来るのだ。今回、栗について教えてくれた山内さんが、「少しでも大きい栗をつくりたい」と熱く話していた事が印象的で、かっこいいと思った。山内さんを含め、全国様々な土地で学び、出会った方々は、自分がつくる物には熱い思いを持った人ばかりだ。




そして、もう一つ秋の味覚、「マツタケ」。実は、僕自身初めて食べる食材だった。インスタントのお吸い物は食べた事はあるが、あれは本物だろうか。高級そうな箱に入って飾られている物を見るくらいしかなかったのに、そんな高級食材が実際に生えている所を目にした時は、すごく感動した。よく「香りがいい」と聞くので、かいでみたが、本当に上品な香りがした。食べた歯ごたえもよく、「マツタケは五感で楽しむ」と教わった通りだった。明雄さんも「うまい!」と何度も言いながら味わっていた。

しかし、この希少なマツタケが人間の生活に密接に関係しているとは思わなかった。マツタケが生える条件として、地面に日が当たるように間伐し、菌がアカマツと出会いやすくなるように地かきをして整備をしてあげなければならない。こうしないと、里山が鬱蒼としてマツタケは減るばかり。僕は、マツタケというのはむしろ人が入り込めないような山の奥にある物だと思っていたので驚いた。
毎回のように驚いて、毎回のように初めての体験をし、身を以て色々と学んでいる。そして、その根底にはいつもいつか村に活用したいという事がある。村でマツタケを収穫できる日が早く来るといいな。

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