「鹿児島の地力がつくる サツマイモ」

今週は鹿児島県を訪れた。
僕は生まれも育ちも東京だけど、鹿児島は故郷のように感じている。というのも、僕の両親は共に鹿児島出身で、小さい頃から、毎年夏休みになると東京から鹿児島の祖父母の家に遊びにいっていた。そういうこともあって、今回も鹿児島の地に降り立った瞬間、故郷に帰って来たような気になり、妙な安心感があった。久しぶりに聞く方言も何だか心地よかった。そんな慣れ親しんだ鹿児島で学ぶ作物はサツマイモ。

鹿児島は、サツマイモの発祥の地であり、生産量日本一を誇る。街を歩いているとサツマイモの文字はよく目にするし、お土産屋には必ずサツマイモのお菓子がある。僕の祖父母も畑を持っていて、もちろん栽培していた。
そんなサツマイモは、水はけが良い土壌での栽培に適しているのだという。粘土質の村の土壌とは違い、雨が降ってもあっという間に水が染み込む。これも桜島などの火山灰の影響らしかった。
そう言われてみれば確かに桜島は、頻繁に噴煙を上げていたし、撮影の日も小規模に噴火していたのか雲のすき間から黒煙が上がっていた。その火山灰が鹿児島の街に降り注ぐので、折りたたみ傘を常備している人も多いらしい。こういうのは、その土地ならではな事。




今回の農業研修でもそんな、「その土地ならでは」な物を使った工夫がたくさんあった。
まずは、落花生を栽培して行う線虫駆除。鹿児島は、もともと落花生がよく栽培されていたそうだけど、その落花生をサツマイモ畑に植えると、根に寄生した線虫が成長・産卵出来なくなるので、減少するらしい。この落花生、農家の方からは落花生豆腐を頂いたが、お店にはよく茹でられた茹で落花生が置かれていた。東京ではなかなか見ないが、小さい頃から鹿児島に行った時はよく食べていた。これはこれでとても美味しいものなので好きだった。

そして、鶏。鹿児島は黒豚が有名だけど、地鶏も有名。初めて地鶏の刺身を鹿児島で食べた時は、その美味しさに驚いた。鹿児島ではこの地鶏も農業に活用していた。こういう、その土地の環境と密着した農業を見ていると、農業というものはつくづくその土地に根付いたものなんだなと感じた。農業を通して、その土地の事を学ぶ機会も多い。あの有名な黒豚もサツマイモを食べて育っている。
今回は、慣れ親しんだ鹿児島の、「鹿児島ならでは」な農業を多く見れて、勉強になったし、うれしくもあった。鹿児島には桜島大根のように珍しい作物が色々と栽培されているし、まだまだ農業の工夫もありそうなので、また、鹿児島の地に来て、学べたらいいな!

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