パリ郊外。セーヌ川のほとりにある静かな町 アニエール。 ここに、世界に名高いブランドを生んだ鞄職人、ルイ ヴィトンの家があります。 |
彼がここに住居を構えたのは、1871年、57歳のとき。 この時彼は、1人の職人に戻って従業員たちの指導に専念し、 店は、息子 ジョルジュに任せたのです。 |
当時の最先端だったアールヌーヴォーを取り入れたこの部屋は、 息子のジョルジュが手がけたもの。 職人気質の父と、息子のセンスによって、ヴィトン社の鞄は、 やがて世界の多くの人々に愛されるようになっていきます。 |
少年 ルイ ヴィトンは、14歳で故郷を捨て、何キロもの道のりを歩いて、 パリへ向かいました。 荷造り職人や、木箱を作る職人として修行を積み、 旅行専門のトランクを扱う小さな店を始めたのは、それから20年後。 |
アフリカ探検家の、ベッドになるトランクを始め、そんな鞄でも、 客の注文通りに作っていきました。毎晩、夜がふけるまで工場にこもって…。 |
晩年は、職人たちを家に招き、 ともに食事を楽しんだ、ルイ ヴィトン。 |
ヴィトン家の当主による食事会は、今もこの家で開かれています。 創業者の「心」を継ぎながら。 |
■来週の「心に残る家」は、 ヨハンナ シュピリをお送りします。 |