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 驚き消臭力 ゴボウの謎  #617 (2002/02/03) 

 日本人にとっておなじみの根菜、ゴボウ。その旬は冬だったのです。そしてゴボウは、実は日本人しか口にしない食べ物だったのです。いったい日本人はなぜ、この根のような食物を口にするのでしょう?

ゴボウ  “ゴボウ抜き”って言葉、有りますよね。マラソンなどで前の選手を一気に何人も抜き去る時などに使われる言葉です。ゴボウってそんなに抜くのが簡単なのでしょうか?そこで矢野さんが早速挑戦。しかしこれが全然抜けません。アームレスリングの日本チャンピオンでもダメでした。そこでゴボウ抜きの名人が急遽登場。すると名人はゴボウの周りを掘り始めたのです!ゴボウの周りには水分や栄養を吸収する細かいヒゲ根がいっぱいこれが土の中に張りめぐらされているのでなかなか抜けないのです。抜くには掘るしかないんですね。
 なかなか抜けないのになぜ“ゴボウ抜き”なのでしょう?もともとこの言葉はデモなどの座り込みで、学生が機動隊に1人ずつ抜かれる時に使われた言葉で、マラソンなどで一気に何人も抜くときに使うのは間違った使い方なのです。

 ゴボウの切り方には、きんぴらごぼうの様に直方体に切る“千切り”と、イノシシ鍋やドジョウ鍋などに入っているように斜めに切る“ささがき”があります。通常はささがきゴボウを入れるドジョウ鍋を、千切りゴボウで作ってみました。そしてセンサーで臭いを計ってみると、千切りで作ったドジョウ鍋の方が生臭さが強かったのです。
 ゴボウの消臭効果の秘密は、食物繊維とアクにありました。アクに含まれるポリフェノールがドジョウの臭い物質トリメチルアミンと結合し臭わなくさせ、さらにゴボウの食物繊維にも、トリメチルアミンを吸収しポリフェノールと結合させる働きがあったのです。千切りよりもささがきの方が切り口の面積が大きいので、より多くの臭い成分を吸収出来るというわけです。

所さんのポイント
ドジョウやイノシシなど臭いの強い鍋料理でゴボウをささがきにするのは、消臭効果がより働くからなのだ!

ゴボウ消臭スプレー  この消臭効果に目をつけた目がテンでは早速ゴボウの消臭スプレーを作ってみることにしました。ゴボウをミキサーにかけ、ろ過して消臭スプレーを作ってみましたが、白布にかけると色がついてしまい完璧とは言えません。そこでレモンを加えてみました。すると色もつかず完璧な消臭スプレーが完成。レモンの酸には、色を消す効果が有ったのです。
 この消臭スプレーを生のイワシにかけて、街角で臭いをかいでもらう実験をした所、20人中17人が臭いが消えていると感じました!さらに消臭剤メーカーに効果を見てもらった所、Aランクというお墨付き!スタジオでは所さんも「臭いが消えた!」と目を丸くしました。

所さんのポイント
目がテン!特製ゴボウ消臭スプレーは専門家も認める消臭効果が有った!

 ゴボウの成分を調べていくうちにアクにはクロロゲン酸という物質が多く含まれたいることがわかりました。これはコーヒーの渋味成分の一つでもありました。過去「目がテン!」では、様々な代用コーヒー作りに挑戦してきました。大豆、ヒマワリ、チコリ…。しかしどれも失敗に終わってきたのです…。
 そこで今回はゴボウで挑戦!ゴボウを細かく刻み乾燥させ深煎りにします。あとは普通のコーヒーと同じ作業で出来上がり。色も香りも本物そっくりです。ここで一計を案じたスタッフは目がテンの会議にこのゴボウコーヒーをこっそり出してみたのです。すると最後まで誰ひとりとしていつものコーヒーと違うことに気付かなかったのです!会議後このことをばらすとみんなビックリ!加えていつものコーヒーよりおいしかったなんて感想まで聞こえてきました。
 ところが、スタジオでゴボウコーヒーを飲んでみた所さん、なにやら今ひとつの表情。どうも出来にムラが有った様子。ゴボウコーヒー完成への道のりはまだ遠そうです。


『ゴボウ消臭スプレー』の作り方
材料:
ゴボウ 60g(切れはしで良い)
レモン 1/4コ
水 500ミリリットル

1.
3cmくらいに切ったゴボウ、レモン、水をミキサーにかける。
2.
全体に混ざったら、10分間沸騰。その後、冷ます。
3.
布、またはコーヒーフィルター等でこす。出来上がり!!
 
保存は冷蔵庫で、1週間くらいです。


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