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美味 きのこ ランキング
第1054回 2010年10月16日


 秋の味覚の代表格、キノコ。 最近の人気キノコランキングのトップはエノキタケで、5位にはエリンギがランクイン。しかし、20年前には1番人気だったシイタケはなぜか3位にダウン。今回は、人気に大異変!キノコの謎に科学で迫ります。

 最近のランキングを見ると、シイタケのように「傘」を中心に食べるキノコではなく、エノキタケやエリンギなど「軸」を中心に食べるキノコが人気!では、傘と軸、どちらが美味しいのでしょう?そこでこんな実験!シイタケ、エノキタケ、エリンギ、ブナシメジ、計4種類のキノコを傘と軸に切り分け加熱し、見た目や食感をなくすためミキサーにかけ、傘ペーストと軸ペーストを作成。これを街行く30人の方に、内容を伝えず、どちらが美味しいか答えてもらいます。すると…4種類全てのキノコが、軸より傘の方が美味しいと圧倒的な支持を集めたのです。理由を専門家に伺ってみると、キノコは、胞子のある傘で子孫を残すため、軸よりも傘の方に栄養分や味の成分が集中するためだそうです。

所さんのポイント
ポイント1
キノコは、胞子がある傘で子孫を残すため、軸よりも傘の方に栄養や旨味が集まっているのだ!

エリンギ歯応え計測 2面  では、なぜ今、軸を食べるエノキタケやエリンギが人気なのでしょう?街で理由を伺うと、皆さん一様に食感がいいからだといいます。そこで、エリンギの傘と軸を同じ厚さに切り、その歯応えを機械で計測してみると…傘はすぐに切断されましたが、軸は傘より持ちこたえ、結果、軸は傘より約3倍も歯応えがある事がわかりました。軸は、傘を支えるため、分厚い繊維質でできているので、歯応えがいいのです。
 ところで、シイタケはなぜ最近人気が落ちてしまったのでしょう?そこで、街でシイタケが嫌いと答えた5人の方に、本当にシイタケが食べられないか実験します!1個まるまる細かく刻んだ生シイタケを、食感の似たニンジンと絹サヤと一緒に玉子焼きに入れます。シイタケ抜きの玉子焼きも作り、目隠しをして3つの玉子焼きを食べ比べてもらい、どれがシイタケ入りの玉子焼きかを当ててもらいました。すると…なんと5人全員がシイタケに気付かず全て美味しいと答えたのです。実は、シイタケ嫌いな人が食べられないのは、生ではなく干しシイタケだというのです。そこで再び実験!今度は干しシイタケを水で戻し、先程と同じ量を入れて玉子焼きを作り、3つを食べ比べてもらいます。すると、今度は5人全員が干しシイタケ入りに気が付いたのです。皆さんは、シイタケのニオイが苦手なんだそうです。そこで、生シイタケと、水で戻した干しシイタケのニオイの強さを測定してみると、干しシイタケのニオイは生シイタケのおよそ5倍も強かったのです。ニオイの理由は、シイタケを乾燥させて水に戻す時に、細胞が壊れて、硫黄臭を持つレンチオニンという成分が染み出してくるため。実は、シイタケは、他のキノコと栄養の奪い合いを避けるため、あえて他のキノコが見向きもしない硫黄成分を栄養にできるよう進化した、珍しいキノコなのです。この干しシイタケの独特のニオイのせいで、最近は、生シイタケの人気まで下がったのではないかと思われます。

所さんのポイント
ポイント2
シイタケは硫黄成分を栄養に出来るように進化した珍しいキノコ!だから干しシイタケを水に戻すと、強烈なニオイを放つのだ!

 さて、超高級キノコといえば、世界三大珍味の1つでもあるトリュフ!しかし、そのトリュフがなんと日本にも自生しているというのです!そこで、早速トリュフが採れるという、富士山の麓にあるホテルを訪ねた矢野さん。なんとこちらのホテルでは、料理長が自分で採ったトリュフをレストランで出しているんだとか。早速矢野さんも捜索開始!ところが…案内されたのは、険しい山の奥地ではなく、歩いて30秒のホテル敷地内の土手!地面を手探りで捜索しますが、トリュフは地中に埋まったまま成長する特殊なキノコなので、なかなか見つかりません。しかし、本場フランスでは、トリュフを探す時に昔から豚が用いられていたはず!ということで、ミニ豚のぴーちゃんに手伝ってもらうことに!とはいえ、ぴーちゃんはトリュフを見たことも食べたこともありません。しかし5分後、ぴーちゃんの動きが急に活発に!掘り当てるミニ豚とシェフ早速その場所を掘ってみると、まだ小さいながら、本物のトリュフを発見!続いて2つ目もゲットし、最後は直径5cmのトリュフを発見!そのトリュフをスタジオで味わった所さんは、その香りの高さに感激!トリュフはキノコの中でも弱い菌なので自分の胞子を飛ばすことができず、他のキノコとの生存競争に負けてしまうので、他のキノコが育たないような整備された場所を好むそうです。そこで、オス豚のフェロモンに似た匂い成分を放つことで、メス豚に食べてもらい、胞子を他の場所に運んでもらって種を増やしていくのです。もしかすると、皆さんの近所の公園などにもトリュフが自生しているかもしれませんよ。



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