放送内容

第1417回
2018.03.18
首 の科学 人間科学

 現代社会は、首に負担がかかる生活習慣が多いと言います。首に負担がかかると、肩こりはもちろん首から離れた腰痛、そして体型の崩れなど、あちこちに悪影響が現れます。さらに首は、脳と体をつなぐ様々な神経が通る神経密集地帯のため、頭痛、めまい、不眠など深刻な不調を引き起こすことにもなるのです。
 そこで今日から試せる「首に良い生活」を科学します。

首に良くないこと

 東京医科大学病院の整形外科の遠藤先生に肩こり持ちの3人の生活習慣を観察してもらい、首への負担と肩こりの関係を調べます。まずは、若いながら肩こり歴3年の女性。首への負担を見るため、左右に筋電計の電極を装着して肩こりが起こりやすい4箇所の筋肉の硬さを計測します。

 方法は被験者に「準備に時間がかかるので、少しお待ち頂けますか?」と告げて、佐藤アナは先生が待機する隣の部屋に移動。実は、このとき既に筋電計は作動中。待ち時間の姿勢をこっそりチェックします。筋電図は、特に筋肉に負荷がかかっていない時は小さな波形、体を動かすと大きくなり負荷がかかった状態になったときも大きな波形で示されます。最初の肩こりさん、手持ち無沙汰からさっそくスマートホンを覗き始めました。そして6分後、体勢を大きく変えると、波形が乱れ始めました。最初に比べてもぞもぞと何度も体を動かすようになりました。さらに体は大きく動いていないのに突然大きな乱れが。これは「自発発火」と言い急に筋肉がピクピクするような状態。筋肉の疲労がかなりでてきていると起きるとのこと。15分間観察して先ほどと筋肉の硬さを比べてみると、4カ所全ての筋肉が硬くなりました。たったの15分で、こりの症状がでてしまったんです。

 肩こり歴6年のこちらの男性も、最初は静かな波形でしたが5分後に姿勢が崩れ、筋肉の疲労を示す乱れた波形に。別の女性は、終始猫背の姿勢で、すぐに筋肉の疲労が現れました。結果、2人とも、15分間で4カ所全てのポイントで筋肉が硬くなってしまいました。
 3人に共通していた、「うつむき姿勢」に大きな原因があるといいます。

 正しい姿勢の時、頭の重みは体の中心軸を通して、体全体で支えていますが、頭が体の軸から外れて前に出ると、頭の重みを体全体で支えられず首の付け根に大きな負担が集中することになるのです。

ポイント1

体重およそ60kgの人は頭の重さはおよそ6kg。頭が30°傾くと首にかかる負荷はその3倍の18kg!姿勢が悪いと首に負担がかかり肩がこるのだ!

首に負担をかけ続けた人の特徴とは?

 調査に同行してくださるのは酒井慎太郎先生。1日150名以上の患者さんを施術する先生は、首に負担をかけ続け、ある特徴が現れている人を見ただけでわかると言います。ショッピングモールにいる老若男女をチェックしてもらうと、休憩中にスマホをじっと見ている女性を発見!こちらの女性は、首に負担をかけている証拠が体に現れているのかチェックします。真っすぐ立ってもらい、その背中にボードを近づけます。この時注目するのは、まっすぐ立っているのに、壁から頭がかなり離れています。これは「ストレートネック」と言い通常カーブを描ている首の骨ですが、うつむいたりなど、首に負担がかかる姿勢を続けていると、まっすぐのままの形になってしまうんです。

 これで慢性肩こりに!そして頭が前に出たことで崩れたバランスを取ろうと体全体の骨格が歪んでいき、ポッコリお腹やオシリが垂れるなど、体型にも悪影響が!さらには、腰や膝など、首から離れた場所にまで負担がかかってしまうんです。

 正常ならば、真っすぐ立った時に、かかと、おしり、肩甲骨、後頭部が壁にきちっと付くのですが、ストレートネックの兆候がある人は首に負担がかかり続けたため、頭が前に傾いて後頭部が壁から浮いてしまうのです。正しい姿勢はアゴを引いた姿勢です。普段の姿勢と比べるとずっとキレイに見えます。

 その後も酒井先生が姿勢が怪しいと声をかけた15人のうち、14人が「ストレートネック」の徴候があり、普段から首に負担をかける生活をしていることがわかりました。そんな中、生活習慣の乱れていない小さな子供は、なんの苦もなく、全てがピタッと壁についています!

 大人も首への負担を取り除けば、本来の首に戻るのだそう。
 そのためにはどうすればよいのか2人の専門家から提案が!まずは、酒井先生。悪い姿勢ダントツの原因、スマートフォンの持ち方を変える!片方の手をグーにして、反対の脇にはさみます。頭がうつむかないよう顔の正面近くにスマートフォンが来るように固定。ちなみに、筋電図でこの時の筋肉の負担を計測すると…筋電図の波形の乱れが静かになって行きます!腕を体に固定することで、腕の重みを支える負担も軽くなったというわけなんです。

 続いて、遠藤先生からの提案が「ハンモックポジション。両手を組んで後頭部に当てて背もたれにもたれかかるポーズ。首の骨、頚椎をそっと支えながら首周りの僧帽筋などを緩めるポーズなんです。

ポイント2

悪い姿勢の習慣が慢性のコリだけでなく、体全体の不調にもつながってしまう!普段から正しい姿勢と筋肉を緩める意識を持つことが重要なのだ!

首に良い生活でコリ解消!?

 協力して頂くのは、肩コリがヒドイという3人のビジネスマン。まずは、皆さん普段どんな姿勢なのか見てみると。マーケティング業務を務める立石さん。仕事開始わずか20分過ぎで早くも背もたれにドッシリ!同じくマーケティング業務の村田さん。かなりいい姿勢で仕事をしていますが…しばらく経つと、頻繁に頬杖をついて頭が前に!猫背になってしまいました!
 そして、すぐさま猫背になってしまった上村さん。ノートパソコンの下に段を敷いて正しい姿勢を目指していますが、どうも解決していない様子。実は、高さを出したパソコン、打つ時両腕が浮いてしまい、支える分かえって首に負担をかけているんです。

 悪しき生活習慣で下を向いて生きているこちらの3人で検証!
 首の角度が下がるとアラームで注意してくれる特殊な機械を装着して「首に良い生活」で1日過ごしてもらいます。遠藤先生直伝首休め、「ハンモックポジション」のやり方も3人に伝えて、猫背の上村さんには、肘の浮かない正しい底上げでパソコン仕事をしてもらいます。
 それでは検証スタート!3人の様子を佐藤アナが観察していると、昨日は終始猫背だった上村さんも今日は、見違えたように背筋が伸びて、こちらもデキるオンナ度がアップ!他の皆さんも、心なしか、表情も凛々しくなっているような。そして昼休み。食事の姿勢も気をつけて、壁を使ったより効果的なハンモックポジション!午後になっても美しい姿勢の保持と首休めを忘れず過ごし午後6時、業務とともに検証終了!
 3人の筋肉の硬さを調べると、椅子に沈む立石さんは、昨日は、朝と仕事終わりで、全ての数値が上がっていましたが、首に良い生活をした今日は1カ所も硬くなっていなかったんです!

 猫背の上村さんは、昨日3か所数値が上昇していましたが、今日の計測では2カ所でわずかに数値が下がり、他も朝とあまり変わらない結果に。

 頬杖の村田さんは、昨日、2か所数値が上がり、中でも左肩の数値は10も上昇。今日は同じく2か所数値が上がっていましたが、上がり幅が昨日よりも少なくなっていました。

 しかも皆さん、1日中パソコン作業をしていたにも関わらず、実感としてもいつもよりコリの症状が軽かったようなんです。ただ、猫背の上村さんと椅子に沈む立石さんは肩コリの代わりに、背中の筋肉が少し痛くなってしまっていたそうです。整形外科の遠藤先生に伺ったところ、普段使っていなかった筋肉が、正しい姿勢をしたことで使われたことによる筋肉痛とのこと。

ポイント3

日々、下を向かない正しい姿勢で生活を徐々にならしていくことで、無理せず正しい姿勢が楽にできるようになるのだ!